自己肯定感を高める方法5つ|まず「下げない」から始める言葉の半歩

自己肯定感を高める方法を、言葉でできる5つの半歩で紹介。できたことを一行書く、責める言葉を言い換える、朝に一言受け取るなど、明日からできる最小アクションと続かないときの戻り方をまとめました。
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「自己肯定感を高める方法」を調べている夜は、たいてい少し疲れています。会議でひとつ言いまちがえた帰り道。同世代の活躍をSNSで見てしまった週末。そういう日に「自分はこれでいいのだろうか」と思うのは、あなたがまじめに自分と向き合っている証拠です。先に、ここだけ受け取ってもらえたらと思います。
この記事でお伝えしたい答えは、はっきりしています。自己肯定感は「高める」より先に「下げない」から始めると戻りやすい。そして、下げない練習は言葉でできる。大げさな習慣ではなく、一日一行の「できた」を書くことや、自分を責める言い方をひとつ言い換えること。そういう半歩の行動を五つにまとめました。
書く、振り返る、次の一歩を決める。この小さな循環は、名言と自己効力感を扱ってきたこのサイトがいちばん大切にしている考え方です。読み終えたとき、明日の朝にひとつだけ試したくなるものが残っていたら、それで十分です。

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自己肯定感は「高める」より「下げない」から始める

自己肯定感とは、「自分はここにいていい」と感じられる感覚のことです。何かができたから生まれる感覚ではなく、できない日の自分にも居場所を認めてあげられる感覚。成果と結びついた自信とは、少し別のところにあります。
多くの人がここでつまずくのは、自己肯定感を「積み上げるもの」だと思ってしまうからです。資格を取れば上がる。評価されれば上がる。けれど実感としては、積み上げたはずのものが一度のミスで崩れていくように感じる。この矛盾に心当たりのある人は多いはずです。
私はこの感覚を、お風呂の「栓」にたとえて考えています。お湯をいくら足しても、栓が抜けていれば水位は戻りません。逆に、栓を閉めれば蛇口を全開にしなくても水位はゆっくり戻ってくる。自己肯定感もおなじで、減らしている癖に気づいてそれをやめるだけで、戻ってくる部分がかなりあるのです。
栓を抜いている癖の代表が、自分に向けた言葉です。「またやった」「どうせ自分は」「あの人はもうあそこまで行っている」。声に出していなくても、頭の中では一日に何十回も流れています。ここに手を入れるのが、いちばん地味で、いちばん効く入口だと私は思います。
自己肯定感を高める最初の方法は、足すことではなく、下げる言葉を一つ減らすことです。この前提に立てると、次の五つの方法がどれも「大げさでなくていい」理由がわかります。できない自分をまず受け入れるところから始めたい人は、自己受容ができるようになる名言をまとめた記事も、この章の続きとして読める内容です。言葉そのものにもっと触れたいときは、自己肯定感が上がる名言15選に、ここで紹介しきれない言葉を集めています。

言葉で自己肯定感を高める5つの方法

ここからは、言葉を使った五つの方法を順番に紹介します。どれも道具はペンと紙、あるいはスマートフォンのメモだけ。一つひとつの最後に「明日からできる最小アクション」を置きました。全部やろうとしなくてだいじょうぶです。気になった一つから始めてください。

方法1 できたことを一つ書く(小さな成功体験を残す)

夜、一日を振り返ったとき、頭に浮かぶのは「できなかったこと」のほうです。返せなかったメール。言えなかった一言。これは性格の問題ではありません。私自身もそうですが、放っておくと目は「足りないもの」のほうへ向かいます。だから何もしなければ、一日の記憶はできなかったことだけで埋まっていきます。
そこで、寝る前に「できたこと」を一つだけ書く。それだけです。「朝、時間どおりに起きた」「苦手な人に挨拶した」「この記事を読んだ」。大きさは問いません。小さすぎるかなと思うくらいのことで十分です。「自分をほめる」のが苦手な人でも、起きた事実を一行書くだけならできます。小さな成功体験は、こうして書き残したときに初めて自分の手元に残ります。私自身もこれを続けてきて、最初の頃に書いたのは「今日も会社に行った」のような一行でした。けれど、その一行が翌朝の自分を少しだけ支えていたことを、いまはよく知っています。
この一行を、ここでは「できた一行」と呼びます。書くことには二つの働きがあります。ひとつは、流れていくはずだった「できた」を、その場で取りこぼさずに残すこと。もうひとつは、あとで読み返せる形にすることです。この二つ目の働きが、方法5で効いてきます。
明日からできる最小アクション:寝る前に、メモの一番上に今日の日付と「できた一行」を書く。候補が思いつかない日は「できた一行を探した」と書く。

方法2 自分を責める言葉を言い換える

会議で数字を言いまちがえた帰り道、電車の中で何度も再生してしまう。「なんであんなこと言ったんだろう」「自分はいつもこうだ」。責める声は止めようとしても止まりません。先に、はっきり言っておきます。この声そのものは、消えません。消そうとするほど大きくなります。
だから目標を変えます。止めるのではなく、言い換える。「自分はいつもこうだ」を「今日はここでつまずいた」に。「いつも」を「今日は」に、「自分は」を「ここで」に置き換えるだけで、責める先が「自分という人間」から「一つの出来事」に移ります。出来事なら、次に直せる形になります。人間ごとだと、直し方が見えにくいのです。
もうひとつ効くのは、「友人に言う言葉かどうか」で点検することです。おなじミスをした友人に「お前はいつもそうだ」とは言わないはずです。「今日は疲れてたんだよ」「数字は直せる」と言う。その言葉を、そのまま自分に向けて書いてみる。最初は照れくさいものです。けれど、書かれた言葉は声よりも静かに残ります。
明日からできる最小アクション:自分を責める言葉が浮かんだとき、「いつも」を「今日は」に言い換えた一文を、メモにそのまま書く。言い換えは一つで十分。

方法3 朝に一つ言葉を受け取る

月曜の朝、目が覚めた瞬間に「また一週間が始まる」と重たくなる。あの時間に、頭の中に最初に入ってくる言葉が何かで、午前中の自分の姿勢が少し変わります。何も決めていなければ、入ってくるのは通知と、きのう言われた一言の残りです。
そこで、朝いちばんに受け取る言葉を一つだけ、自分で決めておく。好きな名言でも、きのう自分が書いた「できた一行」でもかまいません。読むのは一つ。十秒で終わります。いくつも読むと「いい言葉を集めること」が目的になってしまうので、一つに絞るほうが長く続きます。これをここでは「朝の一言」と呼びます。
やり方は、紙でもスマートフォンでも同じです。洗面所の鏡に付箋を一枚貼る。手帳の最初のページに書き写しておく。iPhone標準のリマインダーに「朝の一言」を登録して、起きる時間に届かせる。どれでも成り立ちます。道具の一例として、この記事を運営するAnchorが作っているアプリポケットAnchorでは、アプリを開くと一日一回、独自に集めた3,000以上の名言から「今日の言葉」が全画面で届くほか、自分で書き留めた言葉を「自分の言葉」として朝の通知や目覚ましに設定できます。無料で始められますが、付箋一枚で始めるのもまったく同じ価値があります。大事なのは道具ではなく、朝の最初の言葉を自分で選ぶという一点です。
明日からできる最小アクション:今夜のうちに、明日の朝に読む言葉を一つ選び、起きて最初に目に入る場所(鏡・手帳・スマートフォンの通知)に置いておく。

方法4 誰かの言葉を借りる(人と比べてしまう夜に)

落ち込んでいるとき、自分で自分を励ます言葉はなかなか出てきません。出てきても、どこか嘘っぽく聞こえてしまう。それは当然のことで、いま自分を責めている人と、励まそうとしている人が同じ人だからです。
だから、言葉を借りていい。本の一節でも、昔の人の言葉でも、尊敬する人がふと言った一言でも。借りる相手が自分より遠い場所にいるほど、言葉は自分の感情に巻き込まれずに届きます。ただし、ひとつだけ条件があります。借りてきた言葉を、そのままにしないこと。「この言葉は、自分のどの場面に効くのか」を一行添える。それをすると、他人の正解だった言葉が、自分を連れ戻してくれる「戻れる言葉」に変わります。
たとえば、SNSで同世代の成果を見てしまった夜。この記事の後半で紹介する名言1(オグ・マンディーノ)がしっくりきたら、それを借りて、下に「比べる相手を、きのうの自分に戻す」と書き添える。この一行があるかどうかで、次に同じ夜が来たときに言葉がすぐ取り出せるかが決まります。
明日からできる最小アクション:この記事から気になった名言を一つだけメモに書き写し、その下に「これは〇〇のときに読む」と一行添える。

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方法5 週に一度読み返す

方法1で書いた「できた一行」は、書いた瞬間よりも、読み返したときに本当の力を出します。一日分では「今日も会社に行った」でしかなかった一行が、七日分並ぶと「今週も七日とも何かができていた」という事実に変わる。これは誰かの励ましではなく、自分で書いた記録です。だから、自分でも信じやすいのです。
読み返すのは週に一度でいい。曜日と時間を決めて、五分だけ。そのときに、一週間分を眺めて「来週、半歩だけ進めたいこと」を一つ書き足します。書く、振り返る、次の半歩を決める。この順番が回り始めると、書くことが「自分を責める材料」ではなく「自分を信じる材料」に変わっていきます。
正直に言うと、この読み返しがいちばん抜けやすい工程です。書くことは一日の終わりに自然に組み込まれますが、読み返すことには決まった置き場所がありません。だから最初から「日曜の朝、コーヒーを入れたあと」のように、すでにある習慣の直後に置くのが長続きの条件です。方法1と方法5は、片方だけでは回りません。二つで一つの循環です。
明日からできる最小アクション:カレンダーに「読み返す五分」を一つだけ予定として入れる。場所は、毎週かならずやっている習慣の直後に。

続かないときの戻り方

ここまで読んで、「どれも前に試したことがある。そして続かなかった」と思った人もいるはずです。その経験は失敗ではありません。続かなかった事実があるということは、一度は始めたということです。この章では、実践のやり方ではなく「止まったあとに、どう動き出すか」だけを扱います。
止まったときにいちばん効くのは、「やめた」ではなく「止まっている」と言い直すことです。三日書かなかった。一週間空いた。そのとき頭に浮かぶ「もうやめてしまった」は事実ではなく、解釈です。事実は「三日分の空白がある」だけ。空白はあとから埋めなくていいし、埋めなくても記録の価値は減りません。
動き出すときは、前と同じ大きさで再開しないことも大切です。一行書いていたなら、再開の日は一語でいい。「起きた」。それで一日分です。自己肯定感を下げるのは空白そのものではなく、「空白を作ってしまった自分」への評価です。再開の最小単位を半分にしておけば、その評価が入り込む隙間がなくなります。
そして、戻る日をあらかじめ決めておきます。「空いたら、次の日曜に戻る」。この一文をメモの一番上に書いておくと、空白の途中で「いつ再開するか」を考えなくてすみます。考えないことが、戻るときの力になります。三十日続いた人も、三日で止まった人も、おなじ日曜に戻ればいい。それだけです。
書けない時期があるのは、弱さではありません。つらさが長く続いて、書くこと自体が重たく感じられるときは、言葉の方法に無理に戻ろうとしなくてだいじょうぶです。そういうときは、身近な人や専門家に話せる場所を一つ持っておくことが、何より先にくる半歩です。

自己肯定感を支える名言3選

最後に、方法4で「借りる」ための言葉を三つ選びました。どれも、比べることと、小さく始めることと、書くことについての言葉です。読んだあとに、自分の場面を一行添えて持ち帰ってください。

名言1【オグ・マンディーノ】同世代の成果を見てしまった夜に、比べる相手を戻す言葉

他者の行いを凌ぐことは重要ではない。自分自身の行いを凌ぐことこそがすべてだ。

(オグ・マンディーノ)

出典:The Greatest Salesman in the World(『地上最強の商人』), Scroll VIII
この言葉は、十巻の巻物に書かれた成功の原則を若い商人が一巻ずつ読み進めていく物語の、第八の巻物に出てきます。自分の価値を高めていくことを語る巻物で、その中で比べる相手として示されるのは、他人ではなく自分自身です。SNSで同世代の活躍を見てしまった夜、比べる相手は自分で選んだつもりがなくても勝手に決まっています。画面の向こうの誰か。この言葉は、その相手を「きのうの自分」に戻してくれます。きのうより一行多く書けたか。きのうより一回、自分を責める言葉を言い換えられたか。それなら答えが出せます。比べることをやめるのは難しい。けれど、比べる相手を変えることは今夜からできる。そう気づかせてくれる言葉です。

\ 迷う日は、これからも来ます /
答えの出ない日は、一度きりではありません。だからこそ、迷ったときに開ける場所を持っておけたらと思って、iPhoneアプリ「ポケットAnchor」を作っています。記事とはまた別の、アプリ独自のコレクションから毎日ひとつ、ウィジェットに言葉が映ります。3,000を超える言葉(偉人の名言の収録数 国内No.1※自社調べ)が、迷った日のあなたを待っています。基本機能は無料です。

名言2【エピクテトス】大きく変わろうとして動けない朝に、始める大きさを教えてくれる言葉

小さなことから練習しなさい。そして次第に大きなことへ進みなさい。

(エピクテトス)

出典:語録 第1巻第18章
この言葉が出てくる章で、エピクテトスは自分の家からランプが盗まれた話をしています。音に気づいて駆けつけたが、鉄のランプはもうなかった。彼はそこで「明日は土のランプを買えばいい」と考えたと語ります。そして、頭が痛いときに「ああ」と嘆かない、耳が痛いときも嘆かない、そういう小さなことから心を練習して、だんだん大きなことへ進めばよいと続けます。自己肯定感を取り戻そうとするとき、私たちはつい「生き方を変える」ような大きさで考えてしまいます。だから月曜の朝に動けなくなる。この言葉が指しているのは、ランプ一つ、頭痛一回という大きさです。今日の練習は「できた一行」を一つ書くこと。それが小さすぎると感じるなら、ちょうどいい大きさです。小さなことで練習した分だけ、大きなことが来たときの自分が変わっています。

名言3【大谷翔平】目標を頭の中だけで回している人に、書く理由を示す言葉

書くことによって視覚化して、次につながりやすくするという、そういう作業

(大谷翔平)

出典:REAL SPORTS インタビュー(Yahoo!JAPAN REDChair企画)
この言葉は、右ひじと左ひざの手術からの復帰を目指してリハビリをしていた時期のロングインタビューで語られたものです。高校時代に書いていた目標達成シートについて聞かれ、いまはシートの形では書いていないけれど、技術が正しいかどうか、調子のよいときと悪いときに何を考えていたか、次に何を試すかをほとんど毎日書いていると話したうえで、書くことの意味をこう表しました。目標を頭の中だけで回していると、今日できたことも、次にやることも、翌朝には混ざって見えなくなります。書くと、見える。見えると、次が決まる。方法1と方法5でお伝えした「書く、振り返る、次の半歩を決める」という循環は、この一文に収まっています。世界の舞台で戦う人が、当時ほとんど毎日書いていると話していた。その事実は、書くことが「できない人の補助輪」ではなく、前に進む人の「作業」だと教えてくれます。

よくある質問

自己肯定感は、どれくらいの期間で変わりますか?

期間を約束することはできません。人によって、揺らぎ方も戻り方も違うからです。ただ、変化の感じ方には順番があると私は思います。最初に変わるのは自己肯定感そのものではなく、「自分を責める言葉に気づく回数」です。気づけるようになると、言い換えられる回数が増える。それが続いて、ある週の読み返しで「先週より楽だった」と気づく。そういう順番で、あとから効いてくるものです。

自己肯定感と自己効力感は、何が違いますか?

自己肯定感は「自分はここにいていい」という存在への感覚、自己効力感は「自分はこれをやれそうだ」という行動への感覚です。この記事の方法1と方法5は、自己肯定感を支えながら、自己効力感も一緒に育てる設計になっています。できたことを書いて読み返すと、「やれた」の記録が「次もやれそう」に変わっていくからです。自己効力感についてもっと知りたい人は、自己効力感とは何かを葛藤しながら前に進む人の共通点から解説した記事にまとめています。

自己肯定感が低くなる原因は何ですか?

理由は一つではありませんが、多くの場合に共通するのは「比べる相手」と「自分に向ける言葉」の二つです。比べる相手が常に他人になっていること、そして自分に向ける言葉が、友人には決して使わないきびしさになっていること。生まれ持った性格の問題にされがちですが、この二つは言葉の習慣です。習慣なら、言い換えから変えられます。

ネガティブな気持ちを書くと、かえって落ち込みませんか?

責める言葉をそのまま書き続ければ、落ち込みは深まります。この記事で勧めているのは、責める言葉を書くことではなく、「できた一行」と「言い換えた一文」を書くことです。ネガティブな気持ちが浮かんだときは、書き出すのではなく「いつも」を「今日は」に言い換えた形で一文だけ書く。書く対象を選ぶことが、書くことで落ち込まないための条件です。

まとめ

自己肯定感を高める方法は、できたことを一つ書く、自分を責める言葉を言い換える、朝に一つ言葉を受け取る、誰かの言葉を借りる、週に一度読み返す、の五つです。そしてその前に、「高める」より先に「下げない」。栓を閉めれば、水位は戻ってきます。
「できた一行」を書き、「朝の一言」を受け取り、借りた言葉を「戻れる言葉」にして、週に一度読み返して次の半歩を決める。どれも、明日の朝に十秒あればできることです。続かなかったら、次の日曜に一語だけ書いて戻ればいい。
今夜、寝る前に一行だけ。「この記事を読んだ」。それが、あなたの最初の「できた一行」です。

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