三浦知良の名言42選|心に刺さる言葉と解説

三浦知良(キングカズ)の名言42選。15歳でのブラジル行きからW杯落選、50代の現役まで、言葉が生まれた場面と背景を添えて紹介。続けることに迷う日に、もう一度前を向くきっかけになる一本です。
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三浦知良の名言には、才能の話がほとんど出てきません。15歳でブラジルへ渡り、Jリーグの開幕を初代MVPとして引っ張り、W杯の直前に代表から外され、50代になっても「試合に出たい」と言い続けてきた人の言葉は、どれも「続けること」の手触りでできています。
この記事では、著書や雑誌・新聞のインタビューで確認できた三浦知良の言葉42本を、その言葉が出た場面や背景とあわせて紹介します。並び順は時系列ではなく、ブラジルでの出発点、30代の壁、落選と悔しさ、それでも続ける理由、という4つの流れでまとめました。
全部を読まなくても大丈夫です。見出しだけ追って、手が止まった一本のところで、少し立ち止まってもらえたらと思います。

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三浦知良とはどんな人物か

三浦知良(みうら・かずよし)は1967年2月26日、静岡市生まれのプロサッカー選手です。1982年、15歳で単身ブラジルへ渡り、1986年に18歳でサントスとプロ契約を結びました。1990年に帰国し、1993年のJリーグ開幕を初代MVPとして牽引。1994年にはジェノアで日本人初のセリエA選手になりました。日本代表では89試合55得点を記録。2017年3月12日、50歳14日でJリーグの試合で得点し、プロリーグ最年長得点としてギネス世界記録に認定されています。2025年はJFLのアトレチコ鈴鹿でプレーし、2026年シーズンは横浜FCからの期限付き移籍で福島ユナイテッドFCに加入。2026年時点で59歳、現役を続けています。愛称は「キング・カズ」。

三浦知良の名言42選

名言1【三浦知良】ブラジルで優先したもの

ブラジルではお金を稼ぐより実をとる、つまりプロとしてサッカーをやることが大事で、お金なんか後からついてくると思っていたから。とにかく、自分が公式戦に出られることを優先していた。

(三浦知良)

出典:Sports Graphic Number(文藝春秋)
18歳でサントスとプロ契約を結んだあと、マツバラなどのクラブにいた時期を振り返った言葉です。若い日に優先したのは給料ではなく、公式戦のピッチに立つ機会でした。「お金なんか後からついてくる」という判断は、無鉄砲に見えて、長く続けるための順番の話です。実力と出場機会という「実」を先に取る。今の仕事で何を先に取るか迷うとき、この順番は一つの物差しになります。

名言2【三浦知良】監督は先生でも上司でもない

監督は先生でもないし、上司でもない。自分の考えがあったら、それをそのまま言っていた。

(三浦知良)

出典:Sports Graphic Number(文藝春秋)
ブラジルのクラブで育ったカズは、監督を「先生でも上司でもない」存在として見ていたと語ります。考えがあれば、そのまま口にする。反抗ではなく、同じ現場で結果に責任を持つ者どうし、という感覚です。日本の職場では、立場が下だと意見を飲み込むのが礼儀のように扱われることがあります。けれど飲み込んだ考えは、誰にも届かないまま消えていきます。言い方は選べます。でも、考えそのものまで手放す必要はありません。

名言3【三浦知良】プロだから五分五分

監督に対しても、先輩に対してもプロだから五分五分だと思っていた。年下だから、選手だから言うことをきかないといけない、なんてことはあり得ないと思っていた

(三浦知良)

出典:Sports Graphic Number(文藝春秋)
前の言葉の続きです。監督にも先輩にも「プロだから五分五分」。年下だから、選手だから従うしかない、という考えは「あり得ない」とカズは言い切ります。ブラジルのプロの現場で身についた、この対等の感覚が、その後の長いキャリアの土台になりました。五分五分でいるとは、相手を軽んじることではなく、自分を軽んじないこと。この区別を、カズはプロになった18歳のころから持っていました。

名言4【三浦知良】18歳の自分が想像しなかった場所

18歳でブラジルで初めてプロ契約を結んだときは、まさかこの年齢までプレーするとは想像もしていませんでした。それができたのは、毎年のようにサッカーに全力を注いできたからです

(三浦知良)

出典:FIFA公式インタビュー(サッカーキング掲載、2021年2月)
2021年、53歳で現役を続ける秘訣を問われたときの言葉です。18歳のときのカズは、35年後も現役でいる自分を想像していなかったと言います。目標から逆算して長く続けたのではなく、その年その年を使い切った結果として、ここまで来た。途中には、W杯落選も、ほとんど試合に出られない年もありました。5年後が見えなくて焦るとき、見えないままでも、今年に全力を注ぐことはできます。

名言5【三浦知良】自分の使命を信じて生きる

モハメド・アリや坂本龍馬みたいに、自分の使命を信じて生きていきたい。

(三浦知良)

出典:Sports Graphic Number 357号(1995年)
ジェノアでプレーしていた1995年、雑誌のインタビューで語った言葉です。モハメド・アリや坂本龍馬を引き合いに出して、自分の使命を信じて生きたいと言い切る。使命は、どこかに落ちているものではなく、信じると決めた人の中で育っていくものなのかもしれません。大げさに聞こえても、「自分はこのために」と言葉にしてみる。その小さな宣言が、のちの30年を方向づけたように見えます。

名言6【三浦知良】世界一のリーグで思いきりやりたい

僕の一番のモチベーションは、世界一レベルの高いリーグで思いきりサッカーがしたいという純粋な情熱だった。

(三浦知良)

出典:Sports Graphic Number(文藝春秋)
1994年、カズはジェノアへ移籍し、日本人として初めてセリエAのピッチに立ちました。当時のイタリアは世界最高峰のリーグで、Jリーグの顔だった選手が飛び込むには大きな決断です。その動機を、彼は「世界一レベルの高いリーグで思いきりサッカーがしたいという純粋な情熱」だったと振り返ります。大義名分も、周囲を納得させる理屈もいらない。「やりたい」という一点が、出発点として十分だったのです。

名言7【三浦知良】小さな国の地域リーグでも行く

あの経験は僕のキャリアのなかでとても重要な位置を占めている。あの時のようにチャレンジしたいという欲求は、今も僕のなかでくすぶっていて、小さな国の地域リーグであっても、思いっきりサッカーができるなら行ってもいいとさえ思っている

(三浦知良)

出典:Sports Graphic Number(文藝春秋)
セリエAでの経験を振り返ったインタビューの続きです。あのときのように挑戦したいという欲求は「今もくすぶっていて」、小さな国の地域リーグであっても、思いっきりサッカーができるなら行ってもいい、とカズは言います。舞台の大きさで挑戦の価値を測っていない。実際に彼はのちにJFLへ、そしてポルトガルの2部へと渡っていきました。くすぶっているものがあるなら、それはまだ動ける証拠です。

名言8【三浦知良】30歳で語った「これから」

これから僕は不動のキングと言われるものを作らないといけないんですよ。

(三浦知良)

出典:Sports Graphic Number 433号(1997年)
1997年、30歳のときのインタビューです。すでに「キング・カズ」と呼ばれていた人が、「これから僕は不動のキングと言われるものを作らないといけない」と語りました。称号を過去の実績として受け取らず、これから証明する対象として扱っている。肩書きをもらった日からが本番だ、という考え方です。評価は、もらった瞬間ではなく、そのあとの行動で決まっていきます。

名言9【三浦知良】夢、挑戦、情熱を失わずに

夢を持って挑戦していく。サッカーのプロになりたいと子供のころから思っていましたし、夢、挑戦、情熱を失わずにやり続ける。諦めずにやり続ける

(三浦知良)

出典:サッカーキング(2016年9月)
2016年、49歳のときのインタビューで語った言葉です。子どものころからプロになりたいと思い、夢・挑戦・情熱という三つを失わずにやり続け、諦めずにやり続ける。夢という言葉は、年齢を重ねるほど口にしにくくなります。それでもカズは、大きな夢を掲げ続けるというより、毎日の練習の中で「諦めない」を選び直してきました。夢を持ち続けることは、才能ではなく、毎日の選択なのだと思います。

名言10【三浦知良】夢を達成した感覚はない

今でもサッカーをプレーするという夢を持ちながらやっているので、夢を達成した感覚はないです。常に目標がありますし、それに向かって毎日やっているっていう日々です。試合に出られない悔しい気持ちは、プロデビューしたときと今で全く同じです

(三浦知良)

出典:サッカーキング(2016年9月)
同じインタビューの続きです。2016年はプロ31年目。それでも夢は達成していない、常に目標があって毎日やっている、と語りました。夢をゴールに置くと、着いた瞬間に終わります。カズの夢は「プレーし続けること」なので、終わりがありません。悔しさが同じ温度で残っていることは、気持ちが本物だという証でもあります。目標を一つ達成しても、まだ「もっと」と思ってしまう自分を、欲張りだと責めなくていいのです。

名言11【三浦知良】ゴールよりもプロセス

ゴールは大事だけど、それよりも大事なことは、そこに向かって努力していくというプロセスです。

(三浦知良)

出典:Sports Graphic Number(文藝春秋)
サッカー選手が「ゴールは大事だけど」と言うのは、少し意外に聞こえます。点を取ることを仕事にしてきた人が、それより大事なのは「そこに向かって努力していくプロセス」だと言う。結果は相手や運にも左右されますが、プロセスは自分の中にあります。結果の出ない時期は、どこへ向かっているのかさえわからなくなります。そんなとき、今日どれだけ向かえたかを見てみる。それだけで、一日の見え方が少し変わる気がします。

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名言12【三浦知良】30歳を境に練習が嘘をつく

30歳前なら練習は常に自分に応えてくれるわけです。やったらやった分だけ応えてくれる。なのに30歳を境にして、今度は練習が自分を裏切り出すんだ。いくら努力しても、今度は練習が嘘をつく。

(三浦知良)

出典:Sports Graphic Number(文藝春秋)
30歳を過ぎたころの実感を語った言葉です。若いうちは、やったらやった分だけ練習が応えてくれる。ところが30歳を境に、いくら努力しても練習が裏切り出す。カズはそれを「練習が嘘をつく」と表現しました。頑張り方が通用しなくなる時期は、仕事でも訪れます。量を足しても結果が出ない。そのとき、さらに量を積む前に、努力の方向を一度疑ってみる。カズの30代は、そこから始まりました。

名言13【三浦知良】体の壁は発想で越える

肉体的にあるレベルを乗り越えようと思ったら考え方、精神的なものを変えなければならないっていうことだね。発想を変えていく

(三浦知良)

出典:Sports Graphic Number(文藝春秋)
「練習が嘘をつく」の先に、カズが見つけた答えです。肉体的なレベルの壁を越えようと思ったら、考え方や精神的なものを変えなければならない。発想を変えていく。この記事の名言16にある食事や睡眠の話は、その答えの続きとして読めます。同じやり方を繰り返して壁に当たるとき、行動を増やす前に、視点を一つずらす。カズの場合、突破口はそこにありました。

名言14【三浦知良】未完成だから、まだ先がある

僕が学びつつあること、つまりサッカーを20代で理解してしまう選手もいる。でも未完成な僕には広がる余地もある。だからまだまだ先があると思うんだ

(三浦知良)

出典:書籍『とまらない』(新潮新書)
著書『とまらない』で語られた言葉です。完成していないことを、弱点ではなく伸びしろとして語っています。周りに20代で成熟しきる選手がいる中で、自分はまだ学びつつある途中だと言いました。「まだ何者でもない」という焦りは、裏返せば「まだ広がる余地がある」ということでもあります。学びつつある、という途中のまま、人は十分に動けます。

名言15【三浦知良】苦しみも楽しみも紙一重

未明に起床して朝走りに出るのが、おっくうに感じるときもある。気が乗らないときも。でもそこで多少苦しくとも、やらないといい思いはできないぞと体のどこかで分かっている。つまり世の中、苦しみも楽しみも紙一重ということだね

(三浦知良)

出典:書籍『カズのまま死にたい』(新潮新書)
未明に起きて朝走りに出るのが、おっくうに感じるときがある。気が乗らないときも。カズでさえ、そう打ち明けています。それでも出ていく理由は、「やらないといい思いはできないぞ」と体のどこかで分かっているから。苦しみと楽しみは紙一重だと言います。気が乗らないまま動いた先に、いい思いが貼りついている。その順番を、カズの体は覚えていました。きっと、わたしたちの体にも心当たりがあります。

名言16【三浦知良】秘訣は地道な日々と睡眠

地道な日々のトレーニング、食事、そして疲労をためないこと。疲労をためないことでいうと睡眠環境をしっかり整えることを大事にしています

(三浦知良)

出典:スプレッドスポーツ(インタビュー)
55歳でJFLのピッチに立っていたころ、現役を続ける秘訣を聞かれて挙げたのは、地道なトレーニング、食事、そして疲労をためないことでした。とくに睡眠環境を整えることを大事にしていると言います。特別な才能の話も、秘密の練習法もありません。50代の現役を支えているのは、誰でも知っている基本を、誰よりも続けていることでした。よく眠り、丁寧に食べる。その積み重ねは、派手さがないぶん、長く効きます。

名言17【三浦知良】40歳を過ぎてわかった経験の意味

いま、40歳を過ぎて、本当の経験の大事さっていうのがわかってきたような気がする。

(三浦知良)

出典:Sports Graphic Number(文藝春秋)
40代に入ったころのインタビューで、「本当の経験の大事さっていうのがわかってきたような気がする」と語りました。経験を重ねたはずなのに、何を学んだか言葉にできない時期があります。それは経験が足りないのではなく、まだ深さが見えていないだけかもしれません。迷いながら過ごした時間も、消化しきれなかった感情も、まるごと、その人の経験でいい。カズの言葉はそう読めます。

名言18【三浦知良】経験とは試合数のことではない

経験って、長くやって、試合をたくさんやってきたからじゃなくて、精神的な、生活の落ち着きも含めて、人生で学んだことも入ってくるんです。それも含めての経験なんです

(三浦知良)

出典:Sports Graphic Number(文藝春秋)
前の言葉の続きです。「自分には経験が足りない」と縮こまるとき、数えているのは年数や回数です。カズの定義はもっと広く、精神的な落ち着きや生活の安定、人生で学んだことまで含みます。40代の彼には、落選も、クラブを転々とした時期もあり、その全部が経験でした。逃げ出したくなった朝も、この定義では経験です。数え落としていた分を足すと、自分の持ち物はもう少し多いことに気づきます。

名言19【三浦知良】20歳のときの経験が礎になっている

47歳の今も、20歳の時と情熱は全く変わっていない。ただ、あの頃のひとつひとつの経験は、本当に重かったし、今の自分を作った礎になっていることは間違いない。

(三浦知良)

出典:Sports Graphic Number(文藝春秋)
47歳のときに語った言葉です。注目したいのは、20歳のころの経験を「重かった」と言っているところです。ブラジルでクラブを移りながら出場機会を探し、帰国後は日本のサッカーの看板を背負った時期です。それが礎になったのは、あの重さを否定せずに抱えてきたからでしょう。今の重さが礎になるかどうかは、あとにならないとわかりません。だから今は、重さの意味を急いで決めなくても大丈夫です。

名言20【三浦知良】常に物足りない、もっとやりたい

何事も、僕は常に、物足りない。もっとやりたい

(三浦知良)

出典:新潮新書編集長コラム「編集長から」(新潮社公式サイト、2020年2月)
著書『カズのまま死にたい』の刊行にあわせて、新潮社の編集長コラムで紹介された言葉です。プロ生活が30年を超えても、何事も「常に、物足りない。もっとやりたい」。頑張ったはずの一日の終わりに、もっとできたという感覚が残ることがあります。それを「足りない自分」として責めると苦しくなりますが、「まだやりたい自分」として読むと、意味が変わります。もっとやりたいと思えるうちは、終わっていません。

名言21【三浦知良】58歳、まだ上手くなれると思う瞬間

いまも、まだ上手くなりたい、上手くなれるんじゃないか、と思う瞬間ばかりで。そんな環境下でサッカーを続けられていることが本当に幸せです。

(三浦知良)

出典:文春オンライン(2026年2月)
2026年1月、福島ユナイテッドFCのキャンプ地で受けた取材での言葉です。58歳、期限付き移籍で新しいチームに加わったばかりでした。まだ上手くなれると思う瞬間ばかりで、その環境を幸せだと語っています。上達への感覚を、義務でも焦りでもなく、幸せと呼んでいる。成長が止まったと感じる日があっても、「上手くなれるんじゃないか」と思える瞬間が一つでもあるなら、その人はまだここからです。

名言22【三浦知良】上を向いている限り

上を向いている限り、絶対にいいことがあるんだ

(三浦知良)

出典:書籍『やめないよ』(新潮新書)
著書『やめないよ』の内容紹介の冒頭に置かれた、40歳を超えてなお現役を続けていたころの言葉です。「上を向いている限り、絶対にいいことがあるんだ」には、根拠が示されていません。でも、根拠がないからこそ、結果が出ていない人にも使えます。成果が見えず、周りと比べて顔が下がる日に、向きだけは変えない。向き続けることそのものが、すでに何かを動かしている。顔を上げたまま眠っていい言葉です。

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名言23【三浦知良】魂は向こうに置いてきた

自分たちのサッカー日本代表としての誇り、魂みたいなものは向こうに置いてきたと思っているんで、みんなには絶対頑張ってもらいたいと思います。

(三浦知良)

出典:Sports Graphic Number 700号(2008年)
1998年、フランスW杯の直前に、カズは日本代表の最終メンバーから外れました。そのときの言葉は、10年後の雑誌記事でも振り返られています。怒りでも嘆きでもなく、「誇り、魂みたいなものは向こうに置いてきた」と言い、仲間に「絶対頑張ってもらいたい」と託しました。悔しさが消えていなくても、誰かの背中を押せることがある。その両方を同時に抱えていた人の言葉として、ここに置いておきます。

名言24【三浦知良】挫折感は持たないようにしている

日本代表の道だってまだまだ残っている。そういう意味で、挫折感とかそういうものは持たないようにしています

(三浦知良)

出典:Sports Graphic Number 700号(2008年)
同じ落選のときの言葉です。持たない、ではなく、持たないようにしている。この言い方に、本心が見えます。挫折感は自然に湧いてくるもので、それを抱え込まないと決めているのです。全部が終わったように感じる日に、道は一本ではないと自分に言い聞かせる。強がりに見えても、それも一つの向き合い方だと、この言葉は隣に置いてくれます。

名言25【三浦知良】悔しさを味わうのもサッカー人生

舞台に出て喜ぶのもサッカー人生、悔しさを味わうのもサッカー人生。代表に選ばれなかったからと言ってそこで終わるわけではないし、ワールドカップにでればそこで終わるわけでもない

(三浦知良)

出典:書籍『カズのまま死にたい』(新潮新書)
著書『カズのまま死にたい』から。舞台に出て喜ぶのもサッカー人生、悔しさを味わうのもサッカー人生。代表に選ばれなくても終わりではないし、W杯に出ても終わりではない。落選から20年以上を経て、あの出来事を人生の一部として語れるようになった言葉です。選ばれなかった日に、そこで終わりだと決めなくてもいい。カズがそう言えるまでに20年かかったことも、一緒に覚えておきたいところです。

名言26【三浦知良】自分で決めるから後悔がない

あすプレーするかしないかも、代表での振る舞いも、自分で決める。ずっとそうしてきた。そこには後悔の生じる余地がないんだ。失敗しても、自分が選んだことだから

(三浦知良)

出典:書籍『カズのまま死にたい』(新潮新書)
著書『カズのまま死にたい』で語られた、カズの決め方の原則です。明日プレーするかしないかも、代表での振る舞いも、自分で決める。だから後悔の余地がない。W杯落選のように、自分では決められないこともありました。それでも、ピッチに立つかどうか、どこでプレーするかは、常に自分で決めてきた。流された選択は、うまくいかないとき誰かのせいになります。自分で選んだ選択は、失敗しても自分の中に残ります。

名言27【三浦知良】下した選択は全て正解だった

サッカー人生、これまで下した選択は全て正解でした。そう言い切れることが、精いっぱいやってきた証拠といえるんじゃないかな

(三浦知良)

出典:書籍『カズのまま死にたい』(新潮新書)
同じ著書の紹介文に引かれた言葉です。選択が正しかったから正解なのではなく、選んだあとに精いっぱいやったから正解になった、という順番です。カズ自身、ジェノア移籍のように、結果だけ見れば厳しかった選択も重ねてきました。それでも「全て正解」と言い切れるのは、結果ではなく、注いだ力の量で選択を見ているからです。その後悔ごと、今の場所で力を注ぐ。正解は、あとから育てられるものなのかもしれません。

名言28【三浦知良】悔しさは変わらない、揺れは減った

出られない悔しさは昔と変わらないですよ。だからといって気持ちが落ちたり上がったりっていうのは、どんどんなくなっていますね。

(三浦知良)

出典:神戸新聞(2021年11月)
2021年、54歳のときの神戸新聞のインタビューです。出られない悔しさは昔と変わらない。でも、気持ちが落ちたり上がったりすることはどんどんなくなっている。悔しさを消したのではなく、悔しさとの距離の取り方が変わった、ということです。感情が揺れること自体を、未熟さだと責めてしまうことがあります。揺れても、翌朝また動き出せるなら、それで十分なのではないか。そう受け止めたくなる言葉です。

名言29【三浦知良】楽しんでいるだけではない

この年齢でやれているだけいいんじゃないかと思われるし、試合に出る、出ないとか気にしていないんじゃないか、楽しみながらやっているんじゃないかと思われがちですけど、それは全くない。

(三浦知良)

出典:神戸新聞(2021年11月)
同じインタビューでの言葉です。この年齢なら楽しめているだけでいい、と周りから思われがちだが「それは全くない」と、カズはきっぱり否定しました。54歳の現役に向けられる温かい目は、同時に、期待値を下げる目でもあります。「そこそこでいい」と扱われることへの、静かな抵抗です。諦めていないことは、誰かに証明しなくていい。けれど、諦めていない人は、静かに飢えたままでいます。

名言30【三浦知良】毎試合出たい、そのために考える

常に毎試合出たいと思っているし、出るためにはどうすればいいかを考えている

(三浦知良)

出典:神戸新聞(2021年11月)
54歳の言葉として読むと、「常に毎試合出たいと思っているし、出るためにはどうすればいいかを考えている」は、驚くほど若い人の言葉に聞こえます。欲しいものを欲しいと言い、そのために何ができるかを考え続ける。その繰り返しが、彼の日常です。大人になるほど、「出たい」「やりたい」という気持ちは、口に出しにくくなります。体裁より先に、欲を持ち続けること。欲は、恥ずかしいものではなく、動く力の源です。

名言31【三浦知良】悔しさも含めて幸せだと感じた

悔しさはあったけれど、それも含めて、挑戦できて戦える状況が幸せだと感じた

(三浦知良)

出典:サッカーキング(2024年5月)
2024年5月、ポルトガル2部での2シーズン目を終えて帰国したときの言葉です。それでも「悔しさはあったけれど、それも含めて、挑戦できて戦える状況が幸せだと感じた」と振り返っています。悔しさを消して幸せと言ったのではなく、悔しさを抱えたまま幸せと言っている。うまくいかない日の落胆は、まだ何かに向かっている証でもあります。戦える状況にいること自体が、すでに幸せの輪郭なのかもしれません。

名言32【三浦知良】ピッチに立っただけで幸せ

練習も、練習試合も、本番も、ピッチに立っただけで幸せですよ。一つでも自分が思い描いていたようなプレーができたら、それが幸せですよ。

(三浦知良)

出典:神戸新聞(2021年11月)
54歳のときの神戸新聞のインタビューで語られた言葉です。これは諦めの言葉ではありません。プロ生活35年を経て、喜びの純度がここまで高まった、という話です。一日の終わりに「何もできなかった」と感じる日があります。でも、思い描いたことが一つでもできていたなら、カズの基準ではそれは幸せな一日です。今日の「一つ」を探す目を、借りてみたくなります。

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名言33【三浦知良】自分がやっているのが一番好き

ベンチから指示を送るのも好きじゃないし、人にサッカー教えるのも別に好きじゃないし、自分がサッカーやっていることが一番好きだから、それを続けたいという気持ちは大きい。

(三浦知良)

出典:Sports Graphic Number 564号(2002年)
2002年、35歳のときのインタビューです。なぜ現役を続けるのかと問われ、ベンチから指示を送るのも、人に教えるのも別に好きじゃない、自分がサッカーをやっていることが一番好きだから、と答えました。指導者への転身が当たり前に語られる年齢で、好きなことを好きだと言い切っている。好きという動機は、比べる必要も、説明する必要もありません。それだけで、続ける根拠になります。

名言34【三浦知良】お金のためじゃない

一番大事なのは、試合に出て活躍したいという気持ち。そのためだけにやっているんです。お金のためじゃない。

(三浦知良)

出典:Sports Graphic Number 820号(2013年)
2013年、45歳のときのインタビューです。動機を問われたときの、飾りのない答えです。報酬や名声を否定しているのではなく、それらが目的の位置にないと言っています。動機が純粋であるほど、迷いは減ります。何のためにやっているのかが曇ってきたとき、カズの言い方を借りて、自分の「そのためだけ」を一度言葉にしてみる。答えがすぐ出なくても、問いを持つだけで、仕事の見え方が変わります。

名言35【三浦知良】若手のためにやっているんじゃない

若い選手を頑張らせるために僕はやっているんじゃない

(三浦知良)

出典:Sports Graphic Number 820号(2013年)
同じインタビューでの言葉です。ベテランには、「精神的支柱」「若手の刺激」という役割が期待されがちです。カズはそれを「若い選手を頑張らせるために僕はやっているんじゃない」と退けました。誰かのため、という理由がないと、続けることに後ろめたさを感じる人は少なくありません。でも、自分のため、と言い切ることは、わがままとは別のものだと思います。他者のための理由に頼らなくても、続けていい。

名言36【三浦知良】それ以上に情熱を傾けられたことがない

サッカーをプレーすること以外で、それ以上に情熱を傾けられたことって、これまでなかったんです

(三浦知良)

出典:Sports Graphic Number 922号(2017年)
2017年、50歳を迎える時期のインタビューでの言葉です。プロ生活は30年あまり。なぜまだやるのかへの答えは、サッカー以外に、それ以上に情熱を傾けられたことがこれまでなかった、というだけのことでした。難しい理屈はありません。「これが一番好きだ」という一点が、人を30年動かし続けることがある。自分にとっての「それ以上がないもの」は何か。すぐ答えられなくても、問いとして持っておく価値はあります。

名言37【三浦知良】簡単に手放してはいけないもの

簡単に手放してはいけないもの。お金をたくさん積まれても、譲ってはいけないもの。かけがえのない自分の人生を賭けてやってきた、一番得意なもの。僕にとってはそれはサッカーだったから、ただただ続けてきた。

(三浦知良)

出典:Sports Graphic Number 922号(2017年)
同じインタビューでの言葉です。簡単に手放してはいけないもの。人生を賭けてやってきた、一番得意なもの。「もうやめたら」という声は、長いキャリアの中で何度も浴びてきたはずです。それでも続けた理由は、意地でも義務でもなく、譲れないものを持っていると知っていたからでした。周りから「そろそろ」と言われている何かがあるなら、手放す前に、それが自分にとって譲れないもののほうではないか、一度だけ確かめてみる。

名言38【三浦知良】ひとつのことを続ける尊さ

たったひとつのことを続けることって尊いことだと思うんです

(三浦知良)

出典:Sports Graphic Number 922号(2017年)
同じインタビューで語られた、短い言葉です。50歳を前にしたカズは、プロになって30年あまりの間に、代表落選も、出場機会のない年も、クラブを移り続ける時期も経験しています。それでも手放さなかったのは、サッカーひとつでした。結果が出なくても、評価されなくても、一つを手放さずにいること。それをカズは尊いと呼びました。続けていること自体を、もう少し誇ってもいいのかもしれません。

名言39【三浦知良】元サッカー選手にならないように

僕の職業ですからね、サッカーは。続けられる限り続けたいし、理由なんかないですよ、正直言って。情熱が持てなければピッチに立つべきじゃない。情熱がある限りはグラウンドに立っていいと思っていますから。元サッカー選手にならないようにずっと頑張りたい。

(三浦知良)

出典:神戸新聞(2021年11月)
2021年11月、54歳のときの神戸新聞のインタビューです。リーグ戦の出場がほとんどなかった年でした。続ける理由を問われ、「理由なんかないですよ、正直言って」と答えています。そして「元サッカー選手にならないようにずっと頑張りたい」。根拠を外に探し始めると、人は消耗します。情熱があるかどうか、それだけが問いだという考え方は、仕事を続ける理由に迷う日の支えになります。

名言40【三浦知良】これが自分の生きている意義

年齢を重ねると、そういう部分でみんなやめていくと思うんですよ。自分はそういう面も含めてやれる限りやりたい。これが自分の生きている意義ですよね

(三浦知良)

出典:神戸新聞(2021年11月)
同じインタビューの中の言葉です。年齢を重ねればやめていく部分も含めて、やれる限りやりたい。これが自分の生きている意義。多くの人が退いていく場所に、自分だけの基準で留まり続けることを、彼は意義と呼びました。「何のために生きているか」は、大げさで口にしにくい問いです。でも意義は、誰かが用意してくれるものではなく、自分で選んだことの中に宿る。カズの答えは、そう読めます。

名言41【三浦知良】現役しか思い浮かばない

僕は特にないですね。ずっと選手でいたいとしか考えていないね、未だに。何をやりたいかって言われても現役しか思い浮かばないな

(三浦知良)

出典:Goal.com(2020年2月)
53歳でJ1に挑んだ2020年、播戸竜二氏に「将来的にこうしたいとかありますか」と聞かれたときの答えです。先のプランがないことを、彼は隠しません。将来の展望を答えられないと、焦ることがあります。でも次が思い浮かばないのは、今の場所にまだ出し切っていないものがあるからでもあります。「現役しか」という言葉の純度が、53歳でJ1のピッチに立つことを可能にしていました。

名言42【三浦知良】一生涯のプロサッカー選手でいたい

何歳までプレーするとかは今決めていなくて、とにかく毎日毎日全力を尽くして自分がどこまで続けられるかというのに挑戦しています。サッカーのプロ選手として自分は続けていきたいと思いますし、一生涯のプロサッカー選手でいたい

(三浦知良)

出典:スプレッドスポーツ(インタビュー)
55歳でJFLのピッチに立っていたころの言葉です。何歳までプレーするかは決めていない。そして「一生涯のプロサッカー選手でいたい」。終わりの時期を先に決めて、かえって動けなくなることがあります。カズは期限ではなく、今日どれだけ向き合えるかを問い続けてきました。その一日を積み重ねた先にだけ、一生涯という言葉の重みがあります。42本の最後に置きたい、カズの現在地です。

まとめ

三浦知良の42の言葉を、ブラジルでの出発点から、30代の壁、W杯落選、それでも続ける理由まで追ってきました。並べてみると、この42本の中では、彼は一度も「才能があったから」とは言っていません。語っているのは、毎年全力を注いだこと、練習が嘘をつき始めてから発想を変えたこと、落選の夜に仲間へ誇りを託したこと、そして「現役しか思い浮かばない」という動機の純度です。
読んでいる人の多くは、カズのように一つのことを40年続けているわけではないと思います。それでも、頑張り方が通用しなくなる時期や、選ばれなかった日や、続ける理由をうまく説明できない瞬間は、誰にでも訪れます。そのとき、この42本のうちの一つが、もう一度前を向くきっかけになってくれたら、この記事の役目は果たせたことになります。

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