三日坊主を繰り返して自分を責めてしまう人へ。イチロー・羽生善治・ゴッホ・長友佑都ら13人の言葉から、続ける力は才能ではなく小さな積み重ねで育つことを、背景エピソードと今日できる一歩とともに届けます。
続けたいのに、続かない。そんな自分に、またがっかりしている夜かもしれません。この記事では、継続の名言を13個集めました。先に伝えておきたいのは、続ける力は生まれつきの才能ではなく、小さな積み重ねで後から育つものだということです。三日坊主を繰り返してきた人ほど、ここに並ぶ言葉は効くはずです。
選んだのは、相田みつを、イチロー、羽生善治、ゴッホ、リンカーン、長友佑都、河合優実など13人の言葉です。言葉を並べるだけでなく、それぞれの言葉が生まれた背景と、今日ひとつだけ試せる小さな一歩を添えました。
上から順に読む必要はありません。「始めたのに続かない」「成果が見えない」「もうやめたい」「続けることが自分になる」の4つに分けてあるので、今の気持ちに近い見出しから拾い読みしてください。
\ 続いた日も、続かなかった日も、言葉はそばにいる /
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始めたのに続かない自分を責めてしまうときの名言
三日坊主で終わるたびに、「自分は意志が弱い」と結論を出してしまう。まずは、その結論をゆるめ、続ける単位を小さくしてくれる3つの言葉から始めます。
名言1【相田みつを】続かないのは、あなただけではない
毎日少しずつ
それがなかなかできねんだなあ
(相田みつを)
出典:『にんげんだもの』(文化出版局)
書家で詩人の相田みつをは、栃木県足利市で、独特の書体と平易な言葉の作品を書き続けた人です。代表作『にんげんだもの』が刊行されたのは1984年。長い無名の時期を経て、ようやく広く知られるようになりました。「毎日少しずつ」が大切だと、頭ではわかっている。でも、それがなかなかできない。この言葉がいいのは、できない自分を叱るのではなく、「できねんだなあ」と、ため息ごと受け止めているところです。三日で止まった手帳、二日で終わった早起き。そういう自分を責めるとき、私たちは「続けられない人間だ」と人格まで否定しがちです。でも相田みつをが書いたのは、続けるのは誰にとっても難しい、という当たり前の事実でした。続かなかった日があっても、あなたの価値は減っていません。まず、できなかった自分に「そうだよなあ」と相づちを打つ。再開は、そこから始まります。
名言2【反町隆史】60点を取り続けることにも価値がある
あんまり頑張りすぎちゃだめだよ。別に120点取る必要はないよ。70点でもいいし、60点でもいいから、それをずっと取り続けろよ
(反町隆史)
出典:マイナビニュース インタビュー「反町隆史が若者に言いたいこと」(2022年4月7日)
ドラマ『GTO』の鬼塚英吉役で一躍人気となった俳優、反町隆史。『相棒』では杉下右京の相棒・冠城亘を7シーズン演じ続けました。この言葉は2022年のインタビューで、二人の娘に普段から話していることとして語られたものです。父親が子どもに伝える言葉として、「頑張りすぎちゃだめだよ」とまず肩の力を抜かせ、それから「60点でもいいから取り続けろ」と続ける。順番が優しいのです。反町自身、同じインタビューで、継続すること自体がすごく難しいと語っています。完璧主義の人ほど、120点を目指して初日に力を使い切り、2日目に80点しか出せない自分に落胆して、3日目にやめてしまいがちです。筋トレを毎日1時間と決めるより、スクワット10回でいい日を認める。英単語は50個ではなく、5個でも十分です。「今日は60点だった」と言える日が増えていくと、三日坊主という言葉は、いつのまにか自分から離れていきます。
名言3【イチロー】小さいことを重ねることがただ一つの道
今思うのは、小さいことを重ねることが、とんでもないところに行くただ一つの道だと感じている。
(イチロー)
出典:シーズン最多安打記録達成後の会見(2004年10月1日)
2004年10月1日、シアトル・マリナーズのイチローは、1920年にジョージ・シスラーが記録した年間257安打を84年ぶりに更新しました。この言葉は、その日の会見で語られたものです。シーズン最終的な安打数は262本。歴史的な大記録を打ち立てた直後に、彼が口にしたのは「小さいことを重ねること」という、あまりにも地味な方法でした。「とんでもないところ」へ行く道は、ただ一つしかない。イチローは、試合前の準備を毎日同じ手順で繰り返すことで知られています。一本のヒットの裏には、観客の見ていない何千回もの繰り返しがありました。あなたが今日やった小さなことは、記録として誰の目にも見えないかもしれません。資格の勉強を20分、腹筋を10回、企画書を一行。それでも、重ねている時点で、もう「ただ一つの道」の上にいます。とんでもないところに着くかどうかは、今は考えなくても十分です。
続けているのに成果が見えなくて焦るときの名言
やめてはいない。でも、何も変わっていない気がする。そんな時期に、積み重ねが見えないかたちで積もっていることを教えてくれる4つの言葉です。
名言4【フィンセント・ファン・ゴッホ】偉業は衝動だけではなく積み重ねでできている
偉業は一時的な衝動だけでなされるものではなく、小さなことの積み重ねによって成し遂げられるのだ。
(フィンセント・ファン・ゴッホ)
出典:弟テオへの手紙(1882年10月22日、ハーグ)
フィンセント・ファン・ゴッホが本格的に絵を描き始めたのは27歳のころ。画家として生きたのは、37歳で亡くなるまでのわずか10年ほどでした。この言葉は1882年10月22日、オランダのハーグで暮らしていた時期に、弟テオへ送った手紙に書かれています。テオは生涯、兄を経済的に支え続けた人でした。当時のゴッホはまだ無名で、絵も売れず、毎日ひたすらデッサンと習作を重ねていました。「偉業」という言葉を、彼は自分とは無縁のものに感じていたかもしれません。それでも、衝動だけでは何も成し遂げられず、小さなことの積み重ねしか道はないと信じて、描き続けた。生前に売れた絵はほとんどありません。けれど、残された作品は後の世界を変えました。自分の努力を「無駄だったのでは」と疑う夜に、この言葉はゴッホの10年を思い出させてくれます。積み重ねは、本人にも見えないかたちで、ちゃんと積もっています。
名言5【羽生善治】報われないかもしれない場所で続けることが才能
何かに挑戦したら確実に報われるのであれば、誰でも必ず挑戦するだろう。報われないかもしれないところで、同じ情熱、気力、モチベーションをもって継続しているのは非常に大変なことであり、私は、それこそが才能だと思っている。
(羽生善治)
出典:『決断力』(角川書店)
将棋の羽生善治は、1996年に史上初の七冠独占を達成し、2017年には永世七冠の資格を得ました。この言葉は著書『決断力』にあります。「それこそが才能だと思っている」と語るのは、生まれついての才能の持ち主と見られてきた棋士です。その本人が、才能の正体をこう定義しているのです。報われるとわかっていれば誰でも続ける。報われないかもしれない場所で、同じ情熱を保って続けることこそが大変で、それが才能なのだ、と。毎朝30分の勉強を半年続けても、まだ合格の見通しが立たない。SNSに投稿を続けても、反応はほとんどない。そういうとき「才能がない」と結論を出したくなる気持ちは、自然なものです。がんばった分だけ、実感が追いつかないのはつらい。その気持ちをそのまま認めたうえで、羽生の定義を横に置いてみると、見え方が少し変わります。見返りが不確かなまま続けている時間そのものが、彼の言う才能の中身だったのです。
名言6【アンドリュー・カーネギー】何が来るかわからなくても続けていれば訪れる
私の希望は高く、毎日何か変化が起こるのを待ち望んでいた。それが何であるかはわからなかったが、続けていれば必ず訪れると確信していた。
(アンドリュー・カーネギー)
出典:『Autobiography of Andrew Carnegie』(1920年)
アンドリュー・カーネギーは1835年にスコットランドで生まれ、1848年、12歳のときに家族でアメリカへ移住しました。最初の仕事は綿工場で糸巻きを扱う仕事で、週給は1ドル20セント。やがて電報配達の少年として働き、のちに鉄鋼業で巨万の富を築き、晩年はその大半を図書館の建設などに寄付しました。この言葉は、没後に刊行された自伝の中で、少年として働いていたころを振り返った一節です。「それが何であるかはわからなかった」という正直さが、この言葉の芯だと思います。目標が明確だったわけでも、成功の見通しがあったわけでもない。ただ、続けていれば何かが訪れると信じて、目の前の仕事を続けた。成果が見えない時期というのは、何が来るかわからない時期でもあります。でも、カーネギーの少年時代も、まさにその状態でした。わからないまま続けること自体が、変化を迎える準備になっています。
名言7【村田沙耶香】続けた先にしか届かない言葉がある
これからずっと書き続けていたら、どんどんどんどん、今の自分では書けないような、もっと深く掘った言葉に辿(たど)り着くのではないか、となんとなく思っています
(村田沙耶香)
出典:Business Insider Japan インタビュー
作家の村田沙耶香は、2016年に『コンビニ人間』で芥川賞を受賞しました。受賞の時点でも、彼女はコンビニでのアルバイトを続けていました。作家デビューは2003年。十数年にわたり、昼はコンビニで働き、小説を書き続けてきた人です。この言葉は、書き続けた先にある自分を「なんとなく思っています」と、控えめに語っています。ここに励まされます。確信があるから続けるのではなく、続けていれば届くかもしれないという淡い予感だけで、書き続けてきたのです。今の自分では書けない言葉が、続けた先にはある。それは「今の自分には力が足りない」と認めたうえでの言葉でもあります。まだ下手なままの何かを続けているとき、この言葉は、下手さを欠点ではなく、深く掘るための出発点に変えてくれます。今日書いた文章や作った資料が納得のいかない出来でも、それは「続けた先の自分」が書き直してくれる原稿なのだと考えてもいいかもしれません。
\ 続ける力は、毎朝の一言から /
成果が見えない時期は、自分を励ます言葉も切れがちです。iPhoneアプリ「
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もうやめたいと思ったときに支えになる名言
やめたいと思うことと、やめることは別です。その二つのあいだに立ち止まる時間をくれる、3つの言葉を選びました。
名言8【エイブラハム・リンカーン】できる限りの最善を最後まで続ける
私は自分の知る限り、そしてできるかぎり最善を尽くしている。
最後まで、そうし続けるつもりでいる。
(エイブラハム・リンカーン)
出典:F・B・カーペンター『Six Months at the White House with Abraham Lincoln』(1866年)
1864年、画家のフランシス・B・カーペンターは、奴隷解放宣言の場面を描くためにホワイトハウスに半年間滞在し、リンカーンの日常を間近に見ました。この言葉は、彼が書き残した大統領の発言のひとつです。南北戦争のさなか、リンカーンは新聞や政界から激しい批判を浴び続けていました。その攻撃をいちいち読んで答えていたら仕事ができない、と語ったうえで、こう続けました。自分は知る限りの最善を尽くしている、最後までそうし続ける、と。注目したいのは、結果を約束していないところです。言えるのは、最善を尽くし続けることだけだと認めている。もうやめたいと思うときは、結果よりも、周りの評価や自分への失望が重くなっていることが多いものです。そういうとき、この言葉は、評価と行動を切り分けてくれます。今日できる最善は、昨日より小さくても構いません。それを続けること自体が、リンカーンの言う「最後まで」の一日分になります。
名言9【松下幸之助】成功するまで続けるところに成功の要諦がある
成功の要諦は成功するまで続けるところにある
(松下幸之助)
出典:松下政経塾「五誓」
松下幸之助は9歳で大阪へ丁稚奉公に出て、1917年、22歳で勤め先を辞めて独立しました。最初に手がけたソケットは思うように売れず、資金も尽きかけました。その苦しい時期を越えて、1918年3月7日、妻のむめの、義弟の井植歳男との3人で松下電気器具製作所を創業します。「経営の神様」の出発点は、成功とはほど遠い場所でした。この言葉は、彼が晩年に設立した松下政経塾で塾生が唱和する「五誓」の一つ、「素志貫徹の事」に刻まれています。「成功するまで続ける」と聞くと、根性論に感じるかもしれません。でも、松下の実際の歩みは、同じことを我慢して続けたというより、売れなければ作るものを変え、届かなければ売り方を変え、形を変えながら「やめなかった」というものでした。同じやり方で続ける必要はありません。朝が無理なら夜に、机が無理なら通勤電車で。やり方を変えるのは挫折ではなく、「成功するまで続ける」の一部です。
名言10【ヘレン・ケラー】失敗しても試み続ける人は若く勇敢であり続ける
失望と失敗にもかかわらず試み続けることが、若く勇敢であり続ける唯一の方法だ。
(ヘレン・ケラー)
出典:ライト・ヒューマソン学校でのスピーチ(ニューヨーク、1921年)
ヘレン・ケラーは1歳半のころの病気で視力と聴力を失い、1887年3月3日、6歳のときに家庭教師アン・サリヴァンと出会って言葉を学び、1904年に大学を卒業しました。この言葉は1921年、ライト・ヒューマソン学校でのスピーチで語られたものです。当時のケラーは40代。アメリカ各地で講演や巡業の舞台に立っていた時期でした。「失望と失敗にもかかわらず」と、失望も失敗もあることを最初から認めています。そのうえで、試み続けることだけが「若く勇敢であり続ける唯一の方法だ」と言うのです。やめたくなる瞬間は、たいてい失敗の直後にやってきます。企画が通らなかった日、発表に失敗した日。そこで立ち止まるのは、自分を守るための正しい選択です。休んでいい。ただ、傷が少し落ち着いたら、小さくていいから何かひとつ、もう一度試みてもいいかもしれません。ケラーの言う「唯一の方法」は、立ち止まった後にも、ちゃんと残っています。
続けることが自分の一部になるときの名言
最後の3つは、続けた先に何が残るかを教えてくれる言葉です。いずれも、今も現在進行形で続けている人たちの言葉を選びました。
名言11【長友佑都】才能は継続する力で後から作れる
才能というのは努力とか自分の継続する力で作るものだと思っていて、もともと持ってるものじゃないと思う。
(長友佑都)
出典:長友佑都マネージャー公式X(旧Twitter)での子どもたちへのメッセージ
サッカー日本代表として5度のワールドカップに出場した長友佑都。2026年大会では、日本人初の5大会連続出場となりました。インテルで長くプレーした選手ですが、大学時代は腰のけがもあってレギュラーになれず、スタンドで太鼓を叩いて仲間を応援していた時期がありました。そこから体幹トレーニングを積み重ね、世界のトップクラブに届いたのです。この言葉は、子どもたちへのメッセージとして語られたものです。才能に恵まれなかった人の言葉ではなく、世界で戦い続けた人の言葉であることに意味があります。長友にとって才能とは、努力と「自分の継続する力」で後から作るものでした。生まれつきで差がつくなら、始めた時点で結果が決まってしまいます。でも、継続する力で作れるなら、今日の積み重ねがそのまま才能の材料になります。「自分には才能がない」と感じる日は、「才能はまだ作っている途中」と言い換えてみるのも、ひとつの手です。
名言12【三浦知良】たったひとつのことを続けるのは尊い
たったひとつのことを続けることって尊いことだと思うんです
(三浦知良)
出典:Sports Graphic Number インタビュー
三浦知良、通称カズは、15歳で高校を中退して単身ブラジルへ渡り、サントスでプロ契約を結びました。1993年のJリーグ開幕年にはMVPに選ばれ、日本サッカーの顔になりました。そして50代になった今も、現役のプロ選手としてピッチに立ち続けています。「尊い」という言葉を選んでいるのが印象的です。続けることを、すごいとか立派だとかではなく、尊いと言う。結果や記録とは別のところに、続けること自体の価値を置いているのです。私たちは、続けた結果として何を得たかで、継続の価値を測りがちです。でも、カズの言葉に従えば、何年も同じ趣味を続けていることも、毎朝同じ道を歩いて通勤していることも、それだけで尊い。長く続けてきたものを、ひとつ思い浮かべてみてください。成果の有無を問わず、それはもう尊いことだと、カズなら言うでしょう。
名言13【河合優実】妥協せずやり続ければ形になる
妥協しないでやりたいことをやり続ければ形にできるじゃん!
(河合優実)
出典:SCREEN ONLINE 映画『ナミビアの砂漠』インタビュー(2024年9月)
俳優の河合優実は2000年生まれ。2024年公開の映画『あんのこと』で日本アカデミー賞最優秀主演女優賞を受賞し、同年公開の『ナミビアの砂漠』はカンヌ国際映画祭の監督週間で国際映画批評家連盟賞を受けました。『ナミビアの砂漠』の山中瑶子監督とは、河合が高校生のときに出会い、「いつか出演したい」と伝えていたそうです。その願いが主演という形になったのは、7年後のことでした。「妥協しないで」というのは、全部を完璧にやるという意味ではないと思います。自分が本当にやりたいことの芯だけは、譲らずに持ち続けること。周りの期待に合わせて芯を削ると、続ける理由そのものが消えてしまうからです。やりたいことがまだ形になっていないとき、この言葉は、7年かけて形にした人の現在進行形の声として届きます。この記事の最後に置くのは、今まさに続けている人の言葉です。
\ 三日坊主の日にも、言葉は届く /
続かなかった日も、また始められる日も、スマホを開けば言葉がひとつ目に入る。そんな小さな仕組みを置いてみたい方は「
ポケットAnchor」をのぞいてみてください。アプリ独自のコレクションに3,000を超える名言を収録。ウィジェットを置くだけで、基本機能は無料です。
まとめ
13の継続の名言を届けてきました。並べてみると、続けてきた人たちは、意外にも「続けるのは難しい」と口をそろえています。相田みつをは「なかなかできねんだなあ」とため息をつき、羽生善治は報われない場所で続けることこそが大変だと言いました。続かない自分を責めていたあなたは、特別に意志が弱いわけではありません。難しいことに、ちゃんと取り組んでいるだけです。
続ける力は、才能ではなく、小さな積み重ねで後から育ちます。今日できることは、大きな決意ではなく、60点の一歩です。もし余力があれば、今日続けられたことをひとつ、手帳やスマホのメモに一行だけ残してみるのもいいかもしれません。書き留めた一行は、明日の自分に「昨日の自分も続けていた」と教えてくれます。その小さな記録が、継続のいちばん静かな味方になります。
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