「どうして、わかってもらえないんだろう」。人間関係や仕事の中で、そんな思いを抱えたまま眠れない夜があります。凪良ゆうの名言には、「人と人はわかり合えない」という前提から出発しながら、それでも人と生きていくためのヒントが詰まっています。わかり合えなさを諦めではなく、歩み寄りの理由に変えてくれる言葉たちです。
凪良ゆうは、2020年『流浪の月』、2023年『汝、星のごとく』で本屋大賞を2度受賞した小説家。一貫して「世界との折り合いが悪い人たち」を描き続けてきました。その言葉は、普通になじめないと感じている人の心に、静かに寄り添ってくれます。
この記事では、インタビューや作品から集めた凪良ゆうの言葉62選を、出典と解説とともに紹介します。最初から順に読まなくても大丈夫です。目に留まった言葉から、読み始めてみてください。
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凪良ゆうとはどんな人物か
凪良ゆう(なぎら・ゆう)は京都府出身の小説家。2006年にBL(ボーイズラブ)小説でデビューし、10年以上にわたって同ジャンルで作品を発表し続けた。2020年に『流浪の月』で本屋大賞を受賞し、2023年には『汝、星のごとく』で2度目の本屋大賞を受賞。「世界との折り合いが悪い人たち」「人はわかり合えない」を一貫したテーマに、既存の枠に収まらない人間関係を描き続けている。代表作に『美しい彼』『滅びの前のシャングリラ』『わたしの美しい庭』『星を編む』『多類婚姻譚』など。
凪良ゆうの名言62選
名言1【凪良ゆう】型があるから安心して書ける
ずっとBL(ボーイズラブ)の世界で男性どうしの恋愛を描いてきたのですが、BLには必ず揺るぎないハッピーエンドにしなくてはいけないという約束事があるんです。
(凪良ゆう)
出典:文藝春秋BOOKS「直木賞候補作家インタビュー」
BLには必ずハッピーエンドにするという約束事がある。凪良ゆうはその型の中で10年以上書き続け、力を磨いてきた。型やテンプレートは不自由の証ではなく、安心して挑戦するための土台になる。枠組みに頼る自分を責めなくていい。
名言2【凪良ゆう】十年続けた先に生まれた問い
十年書いてきて、恋愛のもっと”その先”を追求してみたいと思うようになりました。
(凪良ゆう)
出典:文藝春秋BOOKS「直木賞候補作家インタビュー」
BLの約束事の先を書きたいと思うまでに、10年かかった。長く続けてきた仕事が物足りなく感じられるとき、それは飽きではなく、次の問いが育った証拠だ。停滞に見える時間の中でも、自分の中では何かが確かに育っている。
名言3【凪良ゆう】出来事の裏にあるドラマ
事件といわれる出来事の裏にはドラマが潜んでいるなと思ったんです
(凪良ゆう)
出典:文藝春秋BOOKS「『好きに書いていいよ』が生んだ名作『流浪の月』」インタビュー
『流浪の月』で誘拐事件を題材にした理由を語った言葉。事件の裏には、報道されないドラマが潜んでいる。同僚のミスや誰かの行動を判断する前に「この裏に何があったのだろう」と一度問うだけで、見え方は静かに変わっていく。
名言4【凪良ゆう】レッテルを貼られたと感じるとき
実際に何があったのかは当事者にしかわからない。でも事件として報道された瞬間に、確かにそこにあった様々なニュアンスは剝ぎ取られ
(凪良ゆう)
出典:文藝春秋BOOKS『流浪の月』インタビュー
報道が当事者の実像を単純化してしまうことへの問題意識を語った言葉。「あの人はこういう人」とレッテルを貼られた経験は誰にでもある。実際に何があったかを知らない人の評価を、自分の価値だと思わなくていい。
名言5【凪良ゆう】世間と折り合えない自分
どうしたって書きたいことの根っこは一緒になるから。世間とか常識とは相容れない、折り合えないひとが好きなんです
(凪良ゆう)
出典:文藝春秋BOOKS『流浪の月』インタビュー
ジャンルを越えても、描きたい人物像は変わらないと語った言葉。会議で自分だけ意見が違って浮いてしまう日もある。でも世間と折り合えない部分は、直すべき欠点ではなく、自分らしさの根っこなのかもしれない。
名言6【凪良ゆう】ひとりで生きるということ
どうしても書きたかったこと、それが”ひとりで生きる”ということだった
(凪良ゆう)
出典:文藝春秋BOOKS『流浪の月』インタビュー
誘拐事件という設定の奥で、本当に書きたかったテーマを明かした言葉。「ひとりで生きる」ことは欠けた人生ではない。誰かと一緒にいる形だけが正解ではない。ひとりの時間もまた、それ自体で完成した日々だ。
名言7【凪良ゆう】好きなことに没頭していいのか迷うとき
プロになったら一日中小説書いていたっていいんだ
(凪良ゆう)
出典:VERYインタビュー
専業作家になって得た自由を語った言葉。好きなことに没頭していると「こんなことをしていていいのか」と不安になる日がある。でも本気で向き合っているなら、一日中やっていたっていい。没頭は罪ではなく、力の使い方だ。
名言8【凪良ゆう】失敗の経験は宝の山
ゴミのような経験でもものを書く上では宝の山となる
(凪良ゆう)
出典:VERYインタビュー
人生の失敗経験が小説家にどう役立つかを問われて答えた言葉。恥ずかしい失敗も、無駄にしたと感じる時間も、捨てるべき過去ではない。まだ磨かれていないだけの宝の山として、自分の中に置いておいていい。
名言9【凪良ゆう】自分で立てる道筋を見つける
何かを利用してでもいいから自分が一人で立てる道筋を見つけることがとにかく大事
(凪良ゆう)
出典:VERYインタビュー
家事や育児に忙しい女性への助言として、経済的自立について語った言葉。大事なのは手段の潔白さではなく、自分の足で立てる道筋を見つけること。何かに頼って始めた歩みも、続けるうちに自分の道になっていく。
名言10【凪良ゆう】モヤモヤのしまう場所を見つける
心のそこかしこに散らばっているものを文章にしたり物語にすることで、一つひとつ整理して、しまう場所を見つけていく
(凪良ゆう)
出典:八文字屋「凪良ゆう『星を編む』インタビュー」
小説とは何かを問われ、自身にとっての執筆の意味を語った言葉。心に散らばるモヤモヤは、文章という「しまう場所」を見つけると整理できる。一行でいい。今日感じたことを書き出すだけで、心は少し軽くなる。
名言11【凪良ゆう】前触れなく湧き上がるもの
セリフが出てきてからその人が固まることもあります。何の前触れもなくブワッと湧き上がってくる
(凪良ゆう)
出典:八文字屋『星を編む』インタビュー
登場人物が生まれる過程を語った言葉。前触れなく湧き上がった言葉や感情は、ずっと心の底にあったものが形になった瞬間だ。考え抜いた答えだけが本物ではない。ふいに訪れた直感も、自分の中で長く育っていたものとして信じていい。
名言12【凪良ゆう】心地いいことが正しいこと
『正しい答え』はもう必要ではないと思っています。自分にとって心地いいことと正しいことがイコール
(凪良ゆう)
出典:八文字屋『星を編む』インタビュー
『星を編む』に込めた思想の核心を語った言葉。世間の正しさと自分の感覚がずれるとき、間違っているのは自分だと思いがちだ。でも心地いいと感じたことは、それだけでもう正しい。自分の感覚を信頼していい。
名言13【凪良ゆう】まわりは採点者ではなくチーム
書店さんや読者さんのことはひとつのチームだと思っています
(凪良ゆう)
出典:八文字屋『星を編む』インタビュー
本屋大賞受賞後の創作姿勢を語った言葉。評価される側だと思うと、一人で抱え込みたくなる。でも仕事で関わる人たちは採点者ではなく、同じ方向を見るチームだ。そう捉え直すだけで、頼ることが怖くなくなっていく。
名言14【凪良ゆう】わかってもらえないと感じる夜に
「人と人はわかり合えない」が基本的なスタンスの人間です
(凪良ゆう)
出典:ほんのひきだし「『人はわかり合えない』を出発点に真正面から恋愛を描く」インタビュー
人間観の根本を問われて答えた言葉。過度に期待しないからこそ、相手の優しさが価値あるものになる。わかってもらえなかったとき、それはあなたのせいじゃない。完璧な理解を求めず、一つだけ言葉にして渡せば十分だ。
名言15【凪良ゆう】好きなのにすれ違ってしまうとき
どんなにお互いのことが好きでも、人はちょっとしたことですれ違ってしまう
(凪良ゆう)
出典:ほんのひきだし『汝、星のごとく』インタビュー
『汝、星のごとく』の暁海と櫂がすれ違う理由を語った言葉。どんなに好き合っていても、人は些細なことでずれてしまう。すれ違いは愛情の欠陥ではない。ずれたことに気づいたら、また近づき直せばいいだけだ。
名言16【凪良ゆう】全部なくなればいいと思う夜に
なにかいやなことがあったとき、「ああもう明日地球が爆発してくれないかな」って考えること、ありません?
(凪良ゆう)
出典:ダ・ヴィンチWeb『滅びの前のシャングリラ』インタビュー
人類滅亡を描いた『滅びの前のシャングリラ』の出発点を語った言葉。「もう全部なくなればいいのに」と思う夜があっていい。それは弱さではなく、心が限界を知らせている合図だ。まず休むことを自分に許したい。
名言17【凪良ゆう】些細な感情こそ大切なもの
人類滅亡という大きいテーマを扱いながら、私が書きたかったのはいつもと変わらず、他人から見たらとるにたらないくらい些細な人の感情だった
(凪良ゆう)
出典:ダ・ヴィンチWeb『滅びの前のシャングリラ』インタビュー
設定の大きさと描く感情の対比を語った言葉。大きなニュースの前で、自分の悩みなんて小さいと思う必要はない。世界がどうあれ、最後まで自分の中に残るのは、他人から見ればとるにたらない些細な心の揺れだ。
名言18【凪良ゆう】人と違う答えを選んだとき
極限状態で導き出される答えは人によって違う。たとえそれが普通じゃなくても、正しくなくても、許されていいし生きていてもいい
(凪良ゆう)
出典:ダ・ヴィンチWeb『滅びの前のシャングリラ』インタビュー
『滅びの前のシャングリラ』の根底にある人生哲学を語った言葉。追い詰められたとき、人と違う選び方をした自分を責めなくていい。極限の中で出した答えに、正解の型はない。普通じゃなくても、あなたは生きていていい。
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名言19【凪良ゆう】小さな「やってみたい」がはじまり
男女が一対一でしっかり向き合う話を書いてみたいなと思ったのがはじまりです
(凪良ゆう)
出典:文藝春秋BOOKS『汝、星のごとく』インタビュー
男女の恋愛を正面から描く転換点を語った言葉。「ちゃんとした理由」が見つからなくて動けない夜がある。でも本屋大賞に至る大きな挑戦も、はじまりは「書いてみたいな」という小さな気持ちだった。理由は後からついてくる。
名言20【凪良ゆう】縁を切らずに生きていく道
駄目な親にぶち当たってしまったとき、その子たちが親と縁を切ることなく、どうやって生きていくのかを書きたかった
(凪良ゆう)
出典:文藝春秋BOOKS『汝、星のごとく』インタビュー
『汝、星のごとく』で親子関係を描いた意図を語った言葉。つらい関係は、切るか我慢するかの二択しかないと思い込みがちだ。でも縁を切らないまま、少し距離を置いて生きていく道もある。第三の選択肢を持っていい。
名言21【凪良ゆう】親との関係に悩むとき
子供が親を捨てるにはとてつもなく強い意志の力が要ることだし、繫がりを切ったら切ったで、子供の心には罪悪感が残る
(凪良ゆう)
出典:文藝春秋BOOKS『汝、星のごとく』インタビュー
親子の縁を切ることの複雑さを語った言葉。どちらを選んでも罪悪感が残るのは、それだけ重い関係だったという証だ。結論を急がなくていい。答えが出ない痛みごと抱えて歩くことも、立派な選択の一つだ。
名言22【凪良ゆう】自分の選択を裁いてしまう夜に
善悪の視点を持ち込むことは避けたかった
(凪良ゆう)
出典:文藝春秋BOOKS『汝、星のごとく』インタビュー
多様な恋愛の形を、道徳で裁かずに描く姿勢を語った言葉。「あの判断は間違いだった」と自分を裁く夜がある。でも人の選択は、善悪の物差しだけでは測れない。なぜそう選んだのかに目を向けると、裁かない視点が生まれる。
名言23【凪良ゆう】一貫性は後から見えてくる
テーマが一貫してると言われることもあるんですけど、そのつど私の中に存在するものを掘って探りながら書いているだけで、自分では意識してないんです
(凪良ゆう)
出典:文藝春秋BOOKS『わたしの美しい庭』インタビュー
作品を貫くテーマについて問われて答えた言葉。一貫性は目指して作るものではなく、自分の中にあるものを掘り続けた結果、後から見えてくるものだ。今はバラバラに見える経験も、いつか一本の線につながっていく。
名言24【凪良ゆう】育った環境は視点の土台
私自身、縁の薄い家族関係の中で育ったことは多少、影響してるかなと思います
(凪良ゆう)
出典:文藝春秋BOOKS『わたしの美しい庭』インタビュー
なじめない人々を描く理由を、自身の生育環境に触れて語った言葉。育ちの経験は欠陥ではなく、自分にしかない視点の土台だ。あの環境を通ったからこそ見えるものがある。そこから得た気づきを、大切にしていい。
名言25【凪良ゆう】普通になじめないと感じるとき
『普通』や『つながり』になじめない人たちの姿を描いてしまうのかもしれないです
(凪良ゆう)
出典:文藝春秋BOOKS『わたしの美しい庭』インタビュー
生育環境が創作に与えた影響を語った言葉。「みんなと同じようにできない」のは欠陥ではなく、普通という型に無理に自分を合わせなかった証だ。なじめなさの中にこそ、あなたにしか見えない景色がある。
名言26【凪良ゆう】つらい絆は手放していい
いまは『絆を大事に』と言われる時代ですけど、『絆』がつらいなら無理しなくていい。断ち切ることで、新たな一歩を踏み出せる人もいると思うんです
(凪良ゆう)
出典:文藝春秋BOOKS『わたしの美しい庭』インタビュー
縁切り神社を題材にした作品の背景で、絆偏重の時代への違和感を語った言葉。本当につらい絆なら、無理して繋ぎ止めなくていい。断ち切ることは冷たさではなく、新たな一歩を踏み出すための決断になる。
名言27【凪良ゆう】心が向くものに正直でいる
私は〝その時書きたいもの〟しか書けないんです
(凪良ゆう)
出典:小説丸「storybox」インタビュー
作風を安定させるよう言われた経験を振り返った言葉。今、心が向くものだけに手を伸ばすのは、怠けではなく正直さだ。本当にやりたいことを一つだけ選んで、10分向き合ってみる。それだけで一日の手応えが変わる。
名言28【凪良ゆう】状況が変わっても変わらないもの
地球が滅亡してしまう世界を舞台にしても、私が書くものは結局変わらない。人と人の関係性
(凪良ゆう)
出典:小説丸「storybox」インタビュー
『滅びの前のシャングリラ』の執筆でたどり着いた創作の本質。環境や状況がどれだけ変わっても、本当に大切にしているものは変わらない。それは多くの場合、目の前の人との関係性だ。軸があれば、変化は怖くない。
名言29【凪良ゆう】合わない形に自分を押し込まない
結婚というシステムが、今の時代の個を大切にするという考え方と噛み合わなくなってきている
(凪良ゆう)
出典:ブクログ通信 凪良ゆうスペシャルインタビュー
『多類婚姻譚』の執筆背景を語った言葉。「個を大切にしたい」という気持ちは、わがままではない。時代の方が変わってきているのだ。合わない形に自分を押し込むより、自分に合う形を探すことを許していい。
名言30【凪良ゆう】中途半端な猶予の中で
1ヶ月は、生き直そうとするには短すぎる、でも、死を覚悟するには猶予がありすぎる
(凪良ゆう)
出典:ブクログ通信 凪良ゆうスペシャルインタビュー
地球滅亡まで1ヶ月という時間設定の理由を語った言葉。私たちの毎日も、何かを変えるには短く、諦めるには長い、中途半端な猶予の連続だ。全部を変えなくていい。その猶予の中でできることを、一つだけ動かしてみる。
名言31【凪良ゆう】折り合いの悪さは主役の資質
書いたものを読み返すと結果的に『世界との折り合いが悪い人たち』がメインとして据えられていることが多い
(凪良ゆう)
出典:monokaki「『世界との折り合いが悪い人たち』に寄り添う」インタビュー
自身の創作傾向を、後から気づいたものとして語った言葉。「世界との折り合いが悪い」ことは欠陥ではない。凪良作品では、そういう人こそが物語の主役に据えられてきた。生きづらさは、主役になれる資質でもある。
名言32【凪良ゆう】八割の抑制が言葉を届ける
小説は8割くらい抑制を効かせてないとダメ
(凪良ゆう)
出典:monokakiインタビュー
感情表現における抑制の重要性を語った言葉。思いの強さと、伝わる強さは別物だ。熱を全部ぶつけるより、8割抑えた言葉の方が届くことがある。伝わらないと感じたときは、足すのではなく引くことを試してみたい。
名言33【凪良ゆう】「好き」が続ける力になる
『書くのが好き』という気持ちを大事にするほうがいい
(凪良ゆう)
出典:monokakiインタビュー
作家志望者への助言として語った言葉。評価やフォロワー数に引っ張られると、「好きだからやっていた」はずの気持ちを見失ってしまう。うまくなることより先に、好きという気持ちを守る。それが続ける力になる。
名言34【凪良ゆう】歩いてきた道を否定しない
『流浪の月』で本屋大賞を受賞したあとに、インタビューなどで『BLジャンルから飛び出して』と書かれることがありました。私はその表現に違和感があったんですね。
(凪良ゆう)
出典:tree特設ページ 凪良ゆう×坪田文対談
「BLから飛び出した」というメディアの表現への違和感を率直に語った言葉。今の自分は、積み重ねてきた過去の延長線上にいる。環境が変わっても、これまで歩いてきた道を否定する必要はどこにもない。
名言35【凪良ゆう】分かり合えないまま隣にいる
『美しい彼』は、確かにハッピーエンドに読めますが、実は『他者とは分かり合えない』というメッセージを込めています。
(凪良ゆう)
出典:tree特設ページ 凪良ゆう×坪田文対談
ハッピーエンドに見える『美しい彼』に込めた、より深いメッセージ。仲が良さそうな関係でも、本当には分かり合えていないと感じることがある。分かり合えないままでも隣にいられること。それも「一緒」の立派な形だ。
名言36【凪良ゆう】すれ違いを絶望にしないために
『人は分かり合えない』ことを『分かろうよ』という話なんです。『分かり合えない』ことを『分かって』いたら絶望はしない。
(凪良ゆう)
出典:tree特設ページ 凪良ゆう×坪田文対談
『汝、星のごとく』の核心を語った言葉。人はもともと、分かり合えない生き物だ。それを最初から分かっていれば、すれ違いは絶望にならない。期待の置き場所を少し変えるだけで、人間関係はずっと楽になる。
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名言37【凪良ゆう】相手の視点にも理由がある
結婚というと女性視点の物語が多くなってしまいますが、今回はフェアに男性の視点も書きたいと思いました
(凪良ゆう)
出典:クロワッサンオンライン『多類婚姻譚』インタビュー
『多類婚姻譚』で男性視点も描いた理由を語った言葉。私たちはいつも、自分の側からの景色だけを見ている。でも相手には相手のフェアな理由がある。一つだけ相手の視点で考えてみると、責める気持ちが少しほどける。
名言38【凪良ゆう】結婚は難関中の難関
本当に、結婚は難関中の難関だと思っています
(凪良ゆう)
出典:クロワッサンオンライン『多類婚姻譚』インタビュー
現代の結婚の難しさを率直に語った言葉。パートナーや身近な人と噛み合わない日があるのは当然だ。難関だからこそ、うまくいかない日がある。それを自分の欠陥や相手への失望に、急いで変換しなくていい。
名言39【凪良ゆう】努力だけでは埋まらない構造
女性が経済力を得にくいのは今に始まったことではなく、社会構造的にずっと続いている
(凪良ゆう)
出典:クロワッサンオンライン『多類婚姻譚』インタビュー
登場人物の結婚観の背景にある社会構造を語った言葉。昇給も昇進も思うようにいかないとき、「自分の頑張りが足りない」と受け取らなくていい。個人の努力だけでは埋まらない構造が、確かに存在している。
名言40【凪良ゆう】逃げ場所は自分を守る知恵
子供は大人が与えてくれた環境の中でしか生きられません。自分の力でなんとかすることができないので、現実から”逃げる”ことしかできないんです。その逃げ場所が私にとっては『物語』でした
(凪良ゆう)
出典:現代ビジネス「凪良ゆうが語る自身のこれまで」
母子家庭で育った幼少期、物語だけが逃げ場所だったと語った言葉。つらいときに本やドラマへ逃げ込むことを、甘えだと責めなくていい。逃げ場所を持つことは弱さの証ではなく、自分を守るための立派な知恵だ。
名言41【凪良ゆう】書店が育ててくれた本棚
なぜか子供の私には、何時間でも好きなだけ立ち読みをさせてくれた。あれが私の本棚だったんです
(凪良ゆう)
出典:現代ビジネス「凪良ゆうが語る自身のこれまで」
幼少期に通った小さな書店との思い出を語った言葉。気になる本を最後まで読み切れなくても、気負わなくていい。眺めて、気になるページをめくるだけでも、心の中の「本棚」には確かに何かが積もっていく。
名言42【凪良ゆう】静かな抵抗というかたち
押し付けられた常識には腹が立つけれど、だからといって声高に主張するわけでもない。そういう人達を書きたかった
(凪良ゆう)
出典:現代ビジネス「直木賞ノミネート! 凪良ゆうが”多様な結婚”で綴った同性愛と不倫」
戦う人ではなく、静かに生きたい人を描きたかったと語った言葉。押し付けられた常識に腹が立っても、声高に主張できない。そんな自分を弱いと責めなくていい。静かに距離を取ることもまた、立派な抵抗のかたちだ。
名言43【凪良ゆう】「理解したい」に潜むもの
みんなが『他者を理解したい』と思っているし、悪気があるわけじゃない。でも、その『理解したい』という気持ち自体が、どこか不遜で傲慢な一面を孕んでいるのではないか
(凪良ゆう)
出典:現代ビジネス『多類婚姻譚』インタビュー
「理解したい」という善意に潜む危うさを指摘した言葉。わかりたいという気持ちにも、驕りが混ざることがある。わかろうと踏み込むより、ただ黙って隣にいる。そんな寄り添い方を選べる日があってもいい。
名言44【凪良ゆう】綺麗に見える人と比べてしまう夜に
みんながみんなそんな綺麗なはずないだろう
(凪良ゆう)
出典:現代ビジネス『多類婚姻譚』インタビュー
美化されがちな人物像への違和感を語った言葉。SNSで輝いて見える同世代と比べて、落ち込む夜がある。でも、みんながみんなそんなに綺麗なはずがない。誰もが見えないところで、悩みながら生きている。
名言45【凪良ゆう】言葉の濃縮果汁を一滴
短歌は言葉の濃縮果汁。詠み手の感性をぎゅぎゅっと絞って、絞って、ぽたんと一滴
(凪良ゆう)
出典:文藝春秋BOOKS「第10回高校生直木賞候補者競作エッセイ」
高校生に短歌集を勧めながら綴った比喩。感じたことをぎゅっと絞って、たった一滴の言葉にする。長い説明はいらない。「疲れたけど、頑張った」。その一言だけでも、今日の心はちゃんと残しておける。
名言46【凪良ゆう】まずは言葉と遊んでいい
最初はひたすら言葉と遊んでほしい
(凪良ゆう)
出典:文藝春秋BOOKS「高校生直木賞候補者競作エッセイ」
高校生への読書のメッセージとして書いた一文。うまく書こう、正しく読もうと気負わなくていい。最初はただ、言葉と遊んでいい時期がある。上手さよりも、言葉に触れている時間そのものが力になっていく。
名言47【凪良ゆう】わからないことは後からでも間に合う
知識がないとわかりづらいものもあるけれど、それは年を重ねてからでも充分間に合う
(凪良ゆう)
出典:文藝春秋BOOKS「高校生直木賞候補者競作エッセイ」
読書への向き合い方を高校生に伝えた一文。周りが当たり前に知っていることを知らない気がして、焦る夜がある。でも、わからないことを今すぐ全部埋めなくていい。年を重ねてからでも、充分間に合う。
名言48【凪良ゆう】心に焼きつく読書の感覚
言葉が、文字が、自分の中に鮮やかに焼きつくあの感覚を味わったら、もう読書の扉は開かれたも同然
(凪良ゆう)
出典:文藝春秋BOOKS「高校生直木賞候補者競作エッセイ」
自身の読書体験を振り返って綴った一文。意味を全部説明できなくても、胸がざわついた一文があればそれで十分だ。焼きついた感覚が集まっていくと、読書は誰かの課題ではなく、自分だけの体験になっていく。
\ 明日の自分に、ひとつ言葉を渡すなら /
長い記事です。ひと息つくついでに、私たちのiPhoneアプリ「
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名言49【凪良ゆう】成果の日に浮かんだ感謝
読者さんに一番近い『本屋』さんで発掘してもらい、応援してもらい、最速で読者さんに届けてもらえた。これ以上の幸福はありません。ありがとうございました。
(凪良ゆう)
出典:東京創元社 公式サイト『流浪の月』2020年本屋大賞受賞コメント
2020年本屋大賞の受賞コメント。成果が出た日に真っ先に浮かんだのは、支えてくれた人たちへの感謝だった。結果の大きさよりも、感謝を言葉にできたかどうか。そこに、その人の生き方があらわれるのだと思う。
名言50【凪良ゆう】名前のない関係のままでいい
『流浪の月』は主人公であるふたり、更紗と文が長い時間をかけて紡いでいく関係に、どんな名前をつければいいのか、ずっと探していく物語なのかなと思います。
(凪良ゆう)
出典:東京創元社『流浪の月』特設ページ 著者コメント
更紗と文の関係に名前を探し続ける物語だと語った著者コメント。友達でも恋人でも家族でもない結びつきを、恥じることはない。そういう関係には、名前より先に確かな温度がある。言葉はそのうちに追いついてくる。
名言51【凪良ゆう】善意という名の刃物
どこもなにも尖ってないのに人を刺せる刃物が確かにあって、それらに常識や正義感や善意という名前がついているとき、一体どうすればいいのか。
(凪良ゆう)
出典:東京創元社『流浪の月』特設ページ 著者コメント
常識や正義感や善意という名の刃物について語った言葉。「あなたのため」という言葉に深く刺された夜がある。傷ついた自分を、敏感すぎると責めなくていい。刃物の形をしていないだけで、その痛みは本物だ。
名言52【凪良ゆう】愛と呪いと祈りは似ている
愛と呪いと祈りは似ている。
(凪良ゆう)
出典:講談社プレスリリース『汝、星のごとく』作中引用
『汝、星のごとく』本文からの一節。誰かを想う気持ちが強すぎて、重いと感じる夜がある。愛も呪いも祈りも、根っこは同じ「離れられなさ」だ。その重さを持てることが、深く生きている証でもある。
名言53【凪良ゆう】心が置き去りにならない選択
わたしは、愛する男のために人生を誤りたい。
(凪良ゆう)
出典:講談社プレスリリース『汝、星のごとく』作中引用
『汝、星のごとく』の中でも強く印象に残る一節。損得で選べば正解に見えても、心が置き去りになる選択がある。非効率でも、誰かのために遠回りしたい。その気持ちを消さずに持っていることは、弱さではない。
名言54【凪良ゆう】自分を縛る鎖は自分で選ぶ
自分を縛る鎖は自分で選ぶ
(凪良ゆう)
出典:講談社プレスリリース『汝、星のごとく』作中引用
『汝、星のごとく』本文からの一節。「縛られている」と感じるその鎖は、かつて自分が望んで選んだものかもしれない。選んだ理由を思い出せた瞬間、鎖は義務から約束に変わる。選び直す自由も、いつでも手の中にある。
名言55【凪良ゆう】正しさを手放すとき
正しさなど誰にもわからないんです。だから、きみももう捨ててしまいなさい
(凪良ゆう)
出典:講談社プレスリリース『汝、星のごとく』作中引用
『汝、星のごとく』の登場人物が投げかける一節。正しさは、実は誰にもわかっていない。毎日を答え合わせのように過ごすことをいったん手放すと、他人の基準よりも自分の実感の方が、ずっと確かなものになる。
名言56【凪良ゆう】まともな人間という幻想
まともな人間なんてものは幻想だ。俺たちは自らを生きるしかない。
(凪良ゆう)
出典:講談社プレスリリース『汝、星のごとく』作中引用
『汝、星のごとく』本文からの一節。「まともな人」という基準そのものが、誰も体現できていない幻想だ。まともであろうとして消耗するより、自分を生きることの方がずっと確かだ。私たちは、自らを生きるしかない。
名言57【凪良ゆう】借りた力を認める強さ
力を貸してくれている人たちへの感謝の気持ちも含めて、物語にしたかった
(凪良ゆう)
出典:八文字屋『星を編む』インタビュー
『星を編む』で編集者を主人公に据えた理由を語った言葉。一人で成し遂げたように見える成果も、実は誰かの力を借りて形になっている。それを認めることは、自分の実力を小さく見せることではなく、強さの一部だ。
名言58【凪良ゆう】好きで続けた時間の意味
ただただ自分が好きな気持ちの悪い攻めを書きたくて書いただけだったので、それが予想外に受け入れてもらった
(凪良ゆう)
出典:ダ・ヴィンチWeb『美しい彼』ドラマ化インタビュー
セオリーに反する主人公が広く受け入れられた驚きを語った言葉。評価されるかどうかよりも、自分が好きで続けた時間にこそ意味がある。誰に理解されなくても、その「好き」を隠したり手放したりしなくていい。
名言59【凪良ゆう】諦めた夢が芽を出すとき
『マーガレット』に投稿もしていたんですがAクラス入賞止まりで、プロになる夢を諦め、そのまま10年以上が経過しました
(凪良ゆう)
出典:ほんのひきだし「創作のルーツ」インタビュー
漫画家を夢見て挫折した10代を振り返った言葉。凪良ゆうはその後、小説家として二度の本屋大賞にたどり着いた。夢を諦めた時間は無駄ではない。積み重ねた経験は、形を変えて別の場所で芽を出すことがある。
名言60【凪良ゆう】得体の知れないお客さんを迎える
ある日ふと、どこかからか得体の知れないお客さんがやってくる感じです
(凪良ゆう)
出典:ほんのひきだし「創作のルーツ」インタビュー
キャラクターが生まれる瞬間を語った比喩。招いた覚えのないひらめきや違和感は、追い返さずに迎え入れていい。思いついた瞬間にメモへ一言だけ残しておくと、得体の知れないお客さんは、いつか味方になってくれる。
名言61【凪良ゆう】本能と計算の合わせ技
本能と計算の合わせ技です
(凪良ゆう)
出典:ほんのひきだし「創作のルーツ」インタビュー
自身の作風を問われて答えた一言。直感を信じることと、慎重に計算することは対立しない。両方使っていい。心が動いた理由と現実的な条件を並べてみると、迷っていた判断が少しずつ確かなものになっていく。
名言62【凪良ゆう】わかり合えないから歩み寄れる
人と人はわかり合えないと思ってます。そう思っていたほうが誰かを理解したいと思ったとき努力できる
(凪良ゆう)
出典:ほんのひきだし「創作のルーツ」インタビュー
人間関係の根本的な考え方を語った言葉。わかり合えないという前提は、諦めではなく出発点だ。そう思っていた方が、誰かを理解したいと思ったときに努力できる。わかり合えなさは、歩み寄るための理由になる。
まとめ
凪良ゆうの言葉を62、たどってきました。貫かれていたのは、「人と人はわかり合えない」という一見冷たい前提が、実は誰かへ歩み寄るための出発点になる、という逆転です。普通になじめないこと、世界と折り合えないことは欠陥ではなく、その人の物語の始まりなのだと、凪良作品は繰り返し教えてくれます。
全部をいっぺんに変えなくて大丈夫です。今日、心に引っかかった言葉を一つだけ持ち帰ってみてください。すれ違ったままの誰かに、一言だけ言葉を渡してみる。つらい絆から、半歩だけ距離を置いてみる。それくらいの小さな一歩から、明日は少しずつ変わっていきます。
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