ジェフ・ベゾスの名言72選|株主への手紙と出典つきの解説

ジェフ・ベゾスの名言72選。1997年からの株主への手紙、プリンストン大学卒業式スピーチ、近年の対談まで出典と年を明記し、その言葉が生まれた経営と人生の局面をひとつずつ解説。失敗と迷いの途中で語られた言葉が、働く毎日に届きます。
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ジェフ・ベゾスの名言と聞くと、「顧客第一」や「デイ1」のような、経営の教科書に載る言葉を思い浮かべる人が多いかもしれません。けれど彼の言葉の多くは、まだ赤字だった小さな会社の株主に向けて、あるいは30歳で安定した職を辞めた決断を後に振り返って語ったものです。うまくいくかわからない何かを抱えている人には、その文脈ごと届く言葉が並んでいます。
この記事では、1997年から2020年までの株主への手紙、母校プリンストン大学での卒業式スピーチ、2023年と2024年の長時間の対談など、出典が確認できる言葉を72本選び、どの年のどんな局面で語られたかをひとつずつ添えました。Fire Phoneの失敗やドットコムバブルでの株価急落など、つまずきの場面も隠していません。
世界的な富豪の言葉を、そのまま自分の毎日に当てはめる必要はありません。見出しを流し読みして、気になった一本だけ読んでみてください。その一本が、いま抱えているものの置き場所を少し変えてくれるかもしれません。

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ベゾスは毎年の株主への手紙に、最初の年の手紙を添え続けました。この記事を運営するAnchorが作ったiPhoneアプリ「ポケットAnchor」は、アプリ独自のコレクションに収めた3,000を超える名言から、その日の一言をウィジェットに映します。スマホをひらいた朝の最初の一瞬が、今日を1日目として始める合図になります。基本機能は無料です。

ジェフ・ベゾスとはどんな人物か

ジェフ・ベゾス(1964年1月12日生まれ)は、米ニューメキシコ州アルバカーキ生まれの起業家。プリンストン大学で電気工学とコンピューターサイエンスを学び、1986年に卒業。ニューヨークの金融業界を経て、ヘッジファンドのD.E.ショーで上級副社長を務めた。1994年に退職し、シアトル近郊の自宅ガレージでAmazonを創業。1995年にオンライン書店として営業を始め、1997年に株式を公開した。2000年に宇宙企業Blue Originを設立、2006年にクラウド事業AWSを開始。2013年にワシントン・ポスト紙を買収。2021年7月にAmazonのCEOを退任して取締役会長となり、同月、自社の宇宙船ニューシェパードで宇宙飛行を果たした。

ジェフ・ベゾスの名言72選

名言1【ジェフ・ベゾス】上場した年に書いた最初の手紙

これはインターネットにとってのデイ1だ。そして、私たちがうまく実行できれば、Amazon.comにとってもそうだ。

(ジェフ・ベゾス)

出典:Amazon 1997年株主への手紙
1997年、株式を公開した年に書かれた最初の株主への手紙の一節です。当時のAmazonは、本のネット販売を始めて2年ほどの赤字の会社でした。ベゾスはこの手紙を以後毎年の手紙に添え続け、本社ビルにも「Day 1」と名づけます。入社3年目、同じ仕事の3回目。慣れたころほど、初日の心細さと新鮮さは遠くなります。今日の作業のどこか一か所だけ、初めての人の目で眺めてみる。

名言2【ジェフ・ベゾス】赤字の会社が掲げた第一の方針

私たちはこれからも顧客に対して容赦なく集中し続ける。

(ジェフ・ベゾス)

出典:Amazon 1997年株主への手紙
同じ1997年の手紙で、経営方針の筆頭に置かれた一文です。利益より先に「顧客」を据えたこの順番は、その後も変わりませんでした。「容赦なく」という強い言葉は、競合や株価に気を取られそうな自分たちへの戒めでもあったのでしょう。締め切りと上司の顔色で頭がいっぱいの週に、この資料を最後に受け取るのは誰だったか。そこを思い出すと、手を入れる場所が一つ見えてきます。

名言3【ジェフ・ベゾス】三つとも選べと言った創業期

長く働くか、懸命に働くか、賢く働くか。Amazon.comではその三つのうち二つを選ぶだけでは足りない。

(ジェフ・ベゾス)

出典:Amazon 1997年株主への手紙
1997年の手紙で、社員に求める働き方をそのまま書いた一文です。上場直後の小さな会社が大手書店チェーンと競っていた時期で、この姿勢は後にAmazonの厳しい労働文化として批判も受けてきました。そのまま真似る言葉ではありません。今週の自分は、長さ・懸命さ・賢さのどれに頼りすぎているか。見分ける物差しとして使うなら、三つそろわない日があるのは普通のことです。

名言4【ジェフ・ベゾス】採用の基準を下げなかった理由

採用で高い基準を保つことは、これまでもこれからも、Amazon.comの成功にとって最も重要な要素だ。

(ジェフ・ベゾス)

出典:Amazon 1997年株主への手紙
1997年の手紙で、成功の要素として採用を最重要に挙げた一節です。この考え方は後に、面接で基準を守る役を置く「バーレイザー」の仕組みにつながりました。人手が足りない急成長期ほど基準を緩めたくなるものですが、ベゾスはそこで妥協しないと早くから決めていました。引き受ける仕事や組む相手を選ぶとき、「ここだけは譲らない」線を一本持っておく。疲れ方が違ってきます。

名言5【ジェフ・ベゾス】毎朝怯えて起きろと書いた手紙

私は常に従業員に恐れを持つよう促している。毎朝怯えながら目覚めるように。競合他社にではなく、顧客に対して。

(ジェフ・ベゾス)

出典:Amazon 1998年株主への手紙
1998年の手紙にある、少し物騒な一文です。音楽や映像にも手を広げ、競合が次々と参入していた時期です。それでもベゾスは、恐れる相手を競合ではなく顧客に定めます。顧客に忠実でいる義理はなく、より良い選択肢があれば離れていくからです。同期の昇進や他社の動きに気持ちがざわつく朝、その視線を、自分の仕事を受け取る人のほうへ向け直す。怯える先が変われば、やることも変わります。

名言6【ジェフ・ベゾス】見せ方より中身だと決めた1998年

顧客は目が肥えていて賢い。ブランドイメージは実態の後からついてくるもので、その逆ではない。私たちはこれを公理としている。

(ジェフ・ベゾス)

出典:Amazon 1998年株主への手紙
1998年の手紙で述べられたブランド観です。ネット企業が広告に巨額を投じていた時代に、ベゾスは見せかけは見抜かれると考え、商品ページに厳しいレビューも載せ続けました。SNSのプロフィールや職務経歴書を磨きたくなる気持ちは自然です。ただ周りは、思っているより正確にこちらの実態を見ています。見せ方に悩んだ週は、できることを一つ増やすほうへ時間を回してみる。

名言7【ジェフ・ベゾス】バブル崩壊の翌年に守ったもの

顧客基盤こそが、私たちの最も貴重な資産だ。

(ジェフ・ベゾス)

出典:Amazon 2001年株主への手紙
2001年の株主への手紙の一節です。ドットコムバブルの崩壊で株価は最高値から9割以上下がり、人員削減も行われ、倒産もささやかれていました。そこでベゾスが最も貴重な資産と呼んだのは、現金でも設備でもなく、Amazonを使い続ける顧客でした。同じ年の第4四半期、会社は初めて四半期の純利益を出します。うまくいかない時期に残ってくれた取引先や仲間は、立て直しの足場です。

名言8【ジェフ・ベゾス】値下げと利益は両立すると書いた年

顧客に良いことは株主にも良い。

(ジェフ・ベゾス)

出典:Amazon 2002年株主への手紙
2002年の手紙に書かれた原則です。この頃のAmazonは送料無料の条件を広げ、価格も下げ続けて、短期の利益を削る決断を重ねていました。株主の反発もありましたが、顧客と株主の利益は長い目で見れば同じ方向を向く、とベゾスは説明します。後輩の質問に時間を割く、頼まれていない資料を整える。目先では損に見える手間が半年後に自分へ戻ってくる場面は、職場でも案外よくあります。

名言9【ジェフ・ベゾス】金融危機の年に書いた学び直しの話

顧客のニーズから逆算すると、私たちはしばしば新しい能力を身につけなければならなくなる。

(ジェフ・ベゾス)

出典:Amazon 2008年株主への手紙
2008年の株主への手紙の一節です。金融危機の年に、ベゾスは前年に発売した電子書籍端末キンドルの話を書きました。本を売る会社が「読みたい本をすぐ手元に」という体験から逆算した結果、ハードウェアの設計という未経験の領域に踏み込むことになったのです。異動先で覚えることの多さにため息が出る日もあるでしょう。その勉強が誰の困りごとにつながるのか、一度だけ思い浮かべてみる。

名言10【ジェフ・ベゾス】「世界一、失敗に向いた場所」と書いた手紙

失敗と発明は切っても切れない双子だ。

(ジェフ・ベゾス)

出典:Amazon 2015年株主への手紙
2015年の株主への手紙で、「Amazonは世界で一番、失敗するのに向いた場所だと思う(練習なら十分に積んできた)」と書いたすぐあとの言葉です。手紙が書かれたのは、自社スマートフォンFire Phoneの失敗から1年余りあとのこと。失敗を「練習」と呼ぶ自嘲まじりの一言に、本音がのぞきます。失敗したくないのは自然なことです。それでも、双子の片方だけを選ぶことはできません。

名言11【ジェフ・ベゾス】結果がわかっているなら実験ではない

発明するためには実験しなければならない。そして事前にうまくいくとわかっているなら、それは実験ではない。

(ジェフ・ベゾス)

出典:Amazon 2015年株主への手紙
同じ2015年の手紙で、実験の定義を言い切った一節です。当時の柱だったAWS、マーケットプレイス、プライムも、始めた時点では成功の保証がありませんでした。企画書に「効果は未知数」と書くのは勇気がいります。ただ、うまくいくとわかっていることしか試さない日々は、慎重というより止まっているのに近い。結果の見えない一歩を、ひとまず「実験」と呼んでみませんか。

名言12【ジェフ・ベゾス】一つの当たりが失敗の費用を払う

大きな勝者が、数多くの実験のコストを賄ってくれる。

(ジェフ・ベゾス)

出典:Amazon 2015年株主への手紙
2015年の手紙で、失敗を続けられる理由を説明した言葉です。野球では一振りで取れるのは最大4点だが、ビジネスでは一つの成功が1,000点になることもある、とベゾスはこの前後で書いています。私たちの仕事はそこまで極端ではありません。それでも、一つうまくいった企画が、それまでの空振りの意味を書き換えることはあります。今日の空振りも、失敗ではなく「実験」と呼び直してみる。

名言13【ジェフ・ベゾス】「デイ2はどんな姿か」と聞かれて

デイ2とは停滞だ。その先に、存在意義の喪失が続く。そして耐えがたく痛ましい衰退、最後に死が続く。

(ジェフ・ベゾス)

出典:Amazon 2016年株主への手紙
2016年の株主への手紙は、社内の全体会議で出た「デイ2はどんな姿ですか」という質問から始まります。その答えがこの一文でした。停滞から衰退、そして死まで。成功した大企業が弱っていく道筋を、ベゾスはあえて最後まで書き切ります。3年目あたりで仕事に慣れたと感じるのは、成長の証しでもあります。そのうえで、いつもの作業に「まだ良くできる所は?」と一つだけ問いを添えておく。

名言14【ジェフ・ベゾス】「満足」の奥にある期待を見た手紙

顧客は常に美しく、素晴らしく不満足だ。幸せだと言っているときでさえも。

(ジェフ・ベゾス)

出典:Amazon 2016年株主への手紙
2016年の手紙の、顧客への執着を論じた部分にある言葉です。顧客はいま満足していると答えても、まだ知らない、より良いものを求め続ける、とベゾスは書きました。「不満足」を「美しく」と形容したところに、この人の顧客観が出ています。上司に「よかったよ」と言われた日は、素直に喜んでいい。そのうえで、その一言の奥にある「次はここまで」という期待にも、耳を澄ませておく。

名言15【ジェフ・ベゾス】情報が7割そろったら決めていい

大半の意思決定は、本当は欲しい情報の70%程度しかない状態で下すべきだ。

(ジェフ・ベゾス)

出典:Amazon 2016年株主への手紙
2016年の手紙の、速い意思決定を論じた部分で示された原則です。情報が9割そろうのを待っていては遅すぎる、とベゾスは続け、間違いにすぐ気づいて直せる仕組みがあれば誤りは高くつかないとも書きました。「もう少し調べてから」と止めている案件が、いま手元にいくつあるでしょう。7割見えていれば進めていいと自分に許すと、残りの3割は動いたあとで見えてきます。

名言16【ジェフ・ベゾス】反対したまま全力で乗ると決める

反対するが、コミットする。

(ジェフ・ベゾス)

出典:Amazon 2016年株主への手紙
2016年の手紙で紹介された、意見が割れたときの進め方です。ベゾスは、自分が反対していたAmazonスタジオの作品企画に「反対だが、コミットする」と伝えて任せた例を挙げました。トップが自分の判断を脇に置いた実例があるから、標語で終わらなかったのです。会議で違和感を黙って飲み込むより、一度はっきり言う。決まったあとは全力で乗る。言ってからのほうが、腹は据わりやすいものです。

名言17【ジェフ・ベゾス】「手順どおりやりました」への警告

プロセスは目的そのものではない。私たちがプロセスを所有しているのか、それともプロセスが私たちを所有しているのか。常に問う価値がある。

(ジェフ・ベゾス)

出典:Amazon 2016年株主への手紙
2016年の手紙の「代理指標に抵抗する」という部分にある言葉です。悪い結果を「手順どおりにやりました」と説明するリーダーの例を挙げ、手順は結果を出すための道具で、結果の代わりにはならないとベゾスは書きました。マニュアルを守ることは大切です。ただ、守ったのにうまくいかなかった日には、立ち戻る問いがあります。この手順で、そもそも何を達成したかったのか。

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名言18【ジェフ・ベゾス】逆立ちの練習に半年かかる話

高い基準は教えることができる。実際、人は高い基準に触れているだけで、それをかなりうまく身につけていく。

(ジェフ・ベゾス)

出典:Amazon 2017年株主への手紙
2017年の株主への手紙にある言葉です。ベゾスはここで、逆立ちを習おうとした友人の話を紹介しています。2週間で覚えられると思っていた友人に、コーチは「毎日練習して半年はかかる」と告げました。高い基準とは、まず難しさを正しく見積もることだ、というのが要点です。自分の仕事の水準が低い気がした日は、責める前に、うまいと思う先輩の資料を一本じっくり読んでみる。

名言19【ジェフ・ベゾス】高い基準は場の力で広がる

高い基準は伝染する。高水準のチームに新しいメンバーを迎えれば、彼らはすぐに適応する。

(ジェフ・ベゾス)

出典:Amazon 2017年株主への手紙
同じ2017年の手紙の一節です。高い基準は個人の資質というより、チームの空気として伝わる、とベゾスは書きました。基準の高い集団に入った新人は、すぐにそこへ合わせていく。裏返せば、低い基準もまた伝染します。「自分ひとり頑張っても職場が変わらない」と疲れているなら、それはあなたの気合いの問題ではないのでしょう。いまの場所が自分を引き上げてくれているか、一度だけ見直してみる。

名言20【ジェフ・ベゾス】期待はいつも上がり続ける

顧客は神聖なほどに不満足だ。彼らの期待は決して静的ではない。常に上昇し続ける。

(ジェフ・ベゾス)

出典:Amazon 2017年株主への手紙
2017年の手紙で、Amazonが顧客満足に満足しない理由を説明した一文です。配送が速くなれば、顧客はそれを当たり前として、さらに先を望む。ベゾスはそれを嘆かず、前に進む理由として受け止めました。去年と同じ質の仕事なのに反応が薄い、と感じることがあります。自分の腕が落ちたとは限りません。周りの期待が上がっただけ、ということもある。次に何を足すかを考える合図です。

名言21【ジェフ・ベゾス】昨日の「すごい」が今日の「普通」に

昨日の「すごい」は、すぐに今日の「普通」になる。

(ジェフ・ベゾス)

出典:Amazon 2017年株主への手紙
2017年の手紙で、上がり続ける期待の速さを一言で表した言葉です。この頃、有料会員プライムは全世界で1億人を超え、音声アシスタントのアレクサも暮らしに入り始めていました。驚かれていたことが、すぐに前提になる。入社当初は褒められたExcelの工夫が、いつのまにか誰もがやる普通になっていた。価値が減ったのではなく、次の「すごい」を探す番が来たのです。

名言22【ジェフ・ベゾス】寄り道を経営の方法と呼んだ手紙

ビジネスにおける放浪は効率的ではない。だが、でたらめでもない。予感や勘、直感、好奇心に導かれ、顧客にとっての報酬は十分に大きいのだから、そこへたどり着くためなら多少散らかっても回り道してもかまわない、という深い確信に突き動かされている。

(ジェフ・ベゾス)

出典:Amazon 2018年株主への手紙
2018年の株主への手紙、「直感、好奇心、そして放浪の力」と題した部分の言葉です。効率を重んじる経営のなかで、ベゾスはあえて寄り道を擁護しました。AWSやアレクサのような事業は、計画表の上ではなく、確信に導かれた放浪の先で見つかったからです。気になった本を仕事と関係なく読みふけった夜を、責めなくていい。放浪と迷子を分けるのは、何を探しているかを自分が知っているかどうかです。

名言23【ジェフ・ベゾス】失敗の規模も大きくしていく覚悟

失敗の規模が大きくなっていないなら、あなたは実際に針を動かせるほどの規模で発明していない。

(ジェフ・ベゾス)

出典:Amazon 2018年株主への手紙
2018年の手紙で、失敗の「大きさ」に触れた一節です。会社が大きくなれば失敗も比例して大きくなるべきだ、とベゾスは書きました。同じ手紙で本人が、Fire Phoneで得た学びと開発者たちを音声端末エコーの開発へ振り向けたと明かしています。最近の失敗がどれも小さいなら、少し縮こまっている合図とも読める。大きすぎる気がする案を、一つ言葉にしてみる。

名言24【ジェフ・ベゾス】誰も頼まなかった事業が育つまで

AWSを求めた人は誰もいなかった。誰一人として。それでも世界はAWSのようなサービスを求めていた。それを知らなかっただけで。

(ジェフ・ベゾス)

出典:Amazon 2018年株主への手紙
2018年の手紙で、AWSの誕生を振り返った言葉です。2006年に始まったAWSは、自社のシステム運用で育てた技術を外の開発者に貸し出した事業です。「クラウドが欲しい」と頼んだ顧客はいなかったのに、社内で感じていた不便は世界共通だった。「そんなの誰も使わないよ」と言われた企画が、あなたにもあるかもしれません。まだ誰も言葉にしていない需要と、存在しない需要は、別のものです。

名言25【ジェフ・ベゾス】作り直しを恥じない「ビルダー」の話

ビルダーの気質があれば、大きく解決の難しい機会にも、反復を重ねれば成功にたどり着けるという謙虚な確信をもって向き合える。発明し、世に出し、作り直し、出し直し、一からやり直す。それを何度でも繰り返す。

(ジェフ・ベゾス)

出典:Amazon 2018年株主への手紙
2018年の手紙で、Amazonの文化を「ビルダー」という言葉で語った一節です。ベゾスの言うビルダーは、一度で完成させる人ではなく、出しては直し、また出すを繰り返せる人のこと。最初の案が正しいとは思わないが、続ければたどり着けるとは信じている。「謙虚な確信」はその両方を指しています。初めて出した企画が通らなかったのは、撤退の合図ではありません。一周目が終わっただけです。

名言26【ジェフ・ベゾス】CEOとして最後の手紙の結び

親切であれ、独創的であれ、消費する以上に創造せよ。そして決して、決して、決して宇宙があなたを周囲に溶け込ませることを許すな。

(ジェフ・ベゾス)

出典:Amazon 2020年株主への手紙(CEOとして最後の手紙・2021年4月)
2021年4月、CEOを退く直前に書かれた最後の株主への手紙の結びです。同じ年の7月、27年務めたCEOの座をアンディ・ジャシーに譲りました。手紙の後半でベゾスは、生き物は周囲と同じになろうとする力に逆らって生きていると書き、独自であり続けるにはエネルギーが要ると述べています。会議で空気を読み、尖った意見を飲み込むのも生きる知恵です。そのうえで、削らずに出す一言を週に一つ。

名言27【ジェフ・ベゾス】創業10年で語ったブランドの正体

会社にとってのブランドは、人にとっての評判のようなものだ。評判は、難しいことをうまくやろうと努めることで得られる。

(ジェフ・ベゾス)

出典:BusinessWeek インタビュー「Jeff Bezos on Word-of-Mouth Power」(2004年8月)
2004年8月、創業から10年目に受けた雑誌インタビューでの言葉です。テレビ広告に頼らず、口コミでブランドが育ってきたことを語るなかで出てきました。評判は宣言してつくるものではなく、難しいことに本気で取り組んだ結果として外ににじみ出る。「自分には看板がない」と焦ると、何かを誇示したくなります。今日、面倒な問い合わせに最後まで付き合ったこと。それも評判の側に積まれています。

名言28【ジェフ・ベゾス】顧客をパーティーの客として迎える

私たちは顧客をパーティーに招かれたゲストとして見ている。私たちはホストだ。毎日、顧客体験のあらゆる重要な側面を少しずつ改善することが私たちの仕事だ。

(ジェフ・ベゾス)

出典:BusinessWeek インタビュー「Jeff Bezos on Word-of-Mouth Power」(2004年8月)
2004年8月のBusinessWeek誌のインタビューで、顧客との関係をたとえた言葉です。自分たちは招いた側で、来てくれた人が楽しめるよう毎日少しずつ整えるのがホストの仕事だ、とベゾスは語りました。初めての商談や発表の前、緊張で頭が自分のことでいっぱいになる日。相手を「招いた客」と置き直すと、準備すべきことが具体的になります。

名言29【ジェフ・ベゾス】「安くする会社」になると決めた

より多くを請求しようとする会社と、より少なく請求しようとする会社。二種類がある。私たちは後者になる。

(ジェフ・ベゾス)

出典:Kindle Fire発表時の顧客向けの手紙(2011年9月)ほか
2011年9月、タブレット「Kindle Fire」の発表に合わせて顧客へ向けた手紙の言葉です。値上げで利益を厚くする道も、効率化で安くする道もあるが、自分たちは後者を選ぶ。短期の利益を削るこの方針は、株主から批判されることもありました。見積もりを出すとき「もっと請求していいのに」と迷う人もいるでしょう。安売りのすすめではなく、自分がどちら側の働き手でいたいかの話です。

名言30【ジェフ・ベゾス】他社の利幅を機会と見る目

あなたの利幅は、私の商機だ。

(ジェフ・ベゾス)

出典:Fortune誌「Amazon’s Jeff Bezos: The Ultimate Disrupter」(2012年11月)
2012年11月のFortune誌の記事で、ベゾスの口ぐせとして紹介された一文です。誰かが大きな利幅を取っている場所は、顧客が割高な代金を払っている場所でもある。そこへ安く届ける仕組みを持ち込めば、顧客が喜び、事業が生まれる。職場で聞こえる「これ、手間だよね」というため息。慣れて聞き流す前に、一度立ち止まって拾ってみる価値があります。

名言31【ジェフ・ベゾス】競合ではなく顧客から始める

私たちは競合他社に執着しているのではなく、顧客に執着している。私たちは顧客から始め、そこから逆算して考える。

(ジェフ・ベゾス)

出典:インタビュー
ベゾスがインタビューのたびに繰り返してきた、Amazonの基本姿勢です。競合を見て動くのではなく、顧客が望むことから始めて、そこへ届く方法を逆算する。新サービスを企画するとき、まず架空のプレスリリースから書く社内の習慣も、この考えから生まれました。同期より上に行きたい、と思うほど手が止まる日があります。「この人の役に立ちたい」に置き換えると、次にやることが一つ決まります。

名言32【ジェフ・ベゾス】競合を見ていると後追いになる

競合他社中心だと、競合が何かをするまで待たなければならない。顧客中心なら、より先駆者でいられる。

(ジェフ・ベゾス)

出典:インタビュー
顧客中心と競合中心の違いを、時間の観点から説明した言葉です。競合を基準にすると、相手が動くまで自分は動けない。顧客を基準にすれば、誰もやっていないことでも先に始められる。ベゾスはこの理屈で、Amazonが先駆者でいられる理由を語りました。「あの人がやっているから」で始めた仕事は、いつも誰かの背中を追う形になりがちです。動く理由を、届けたい誰かの側に置き直してみる。

名言33【ジェフ・ベゾス】18年守った三つの軸

Amazonには18年間守り続けてきた三つの大きなアイデアがある。それが成功の理由だ。顧客を第一にすること、発明すること、そして忍耐強くあること。

(ジェフ・ベゾス)

出典:インタビュー
創業から18年目のころ、2012年前後のインタビューで語られたと見られる言葉です。成功理由を問われたベゾスは、新しい技術や戦略ではなく、この三つを挙げました。どれも派手さはありません。その当たり前を長くぶらさずに守ったことが、まねしにくい強さになりました。社会人数年目で、自分の軸がまだ見えないのは普通のことです。何年もやめずに続いていることがあれば、それが軸の手がかりです。

名言34【ジェフ・ベゾス】ドアを机にしていた会社の倹約

倹約はイノベーションを促進すると思う。他の制約と同じように。窮地から抜け出す唯一の方法は、発明で抜け出すことだ。

(ジェフ・ベゾス)

出典:インタビュー
Amazonが行動指針の一つに「倹約」を掲げていることと重なる言葉です。創業期のAmazonでは、ホームセンターで買ったドアに脚をつけて机にしていました。この「ドアデスク」は今も倹約の象徴です。予算も人手も足りないと、発想まで止まりそうになる。けれど、手持ちの道具でなんとか間に合わせた経験は、誰にでもあるはずです。あのときひねり出した工夫を、次に困る日のために書き残しておく。

名言35【ジェフ・ベゾス】流行ではなく、好奇心を追う

流行りの新しいものを追うな。すでに皆がホットだと知っているものを捕まえることは非常に難しい。代わりに自分を位置づけ、波があなたのところへ来るのを待て。

(ジェフ・ベゾス)

出典:Utah Technology Council 殿堂入り式典キーノート(2012年11月)
2012年11月、ユタ州のテクノロジー団体の殿堂入り式典で、起業をめざす人たちに向けて語った助言です。みんなが熱いと知っているものは、すでに大勢が追いかけている。流行を追うより、自分が本当に好奇心を惹かれることを追い、そこで構えて波を待て、という趣旨でした。SNSで流行の資格や副業を見るたび、乗り遅れた気がする人もいるでしょう。つい時間を忘れて調べてしまうものは、何ですか。

名言36【ジェフ・ベゾス】批判が来るのは動いている証拠

批評家に耐えられないなら、新しいことも面白いことも何もするな。

(ジェフ・ベゾス)

出典:Code Conference(2016年)
2016年のCode Conferenceで、公人として報道や批判を浴びることについて問われた場面の言葉です。当時、大統領選に出ていたトランプ氏が、ベゾスの所有するワシントン・ポスト紙を繰り返し批判していました。新しいことをすれば批判は必ずついてくる、という前提です。初めて手を挙げた企画に「それ、うまくいく?」と言われた日。何もしていない人には、その一言も届きません。

名言37【ジェフ・ベゾス】一夜の成功に10年かかる

あらゆる一夜の成功には、約10年かかる。

(ジェフ・ベゾス)

出典:CNBCインタビュー(2018年)
2018年のCNBCのインタビューで伝えられた言葉です。急に伸びたように見える成功にも、10年ほどの準備がある、という趣旨です。Amazon自身、上場から四半期の黒字化まで4年以上かかり、その間ずっと「儲からない会社」と言われていました。SNSで同世代が急に注目されるのを見ると、自分の遅さが怖くなります。見えていない時間は、どの舞台の裏にもある。あなたはいま、その途中です。

名言38【ジェフ・ベゾス】バランスではなくハーモニー

私は『仕事と生活のバランス』という言葉が好きではない。私が好むのは『仕事と生活のハーモニー』という言葉だ。

(ジェフ・ベゾス)

出典:Code Conference(2016年)
2016年のCode Conferenceで語られた言葉です。「バランス」という言葉は、片方を取れば片方が減る天秤を前提にしていて好きではない、とベゾスは述べました。仕事で満たされていれば家でも良い自分でいられ、家が整っていれば仕事にも力が出る。その循環を「ハーモニー」と呼んだのです。残業続きで自分を責めそうになる週。仕事と暮らしが互いを支えた瞬間は、一つもなかったでしょうか。

名言39【ジェフ・ベゾス】ビジョンは頑固に、手段は柔軟に

ビジョンには頑固であれ、そして詳細には柔軟であれ。

(ジェフ・ベゾス)

出典:Utah Technology Council 殿堂入り式典キーノート(2012年11月)
2012年11月、ユタ州のテクノロジー団体の殿堂入り式典で、名言35と同じ講演のなかで語られた言葉です。「地球上で最も顧客中心の会社になる」という方向は変えず、手段は書籍から家電、クラウド、映像へと何度も変えてきた。計画を変えるたびに「自分はぶれている」と感じる人へ。頑固でいる場所と柔軟でいる場所を分ければ、方向転換は負けではなくなります。

名言40【ジェフ・ベゾス】宣教師と傭兵、どちらが稼ぐか

宣教師はより良い製品とサービスを作る。彼らは常に勝つ。傭兵はただ金を稼ごうとしているが、逆説的に宣教師の方が常により多くの金を稼ぐ。

(ジェフ・ベゾス)

出典:チャーリー・ローズとの対談(2012年11月)
2012年11月、司会者チャーリー・ローズとの対談番組で語られた言葉です。お金のために動く「傭兵」と、届けたいものがあって動く「宣教師」を比べ、結局多く稼ぐのは後者だとベゾスは言いました。お金を否定する話ではなく、順番の話です。とはいえ、給料のために働く日があるのは当たり前のこと。そのなかに一瞬でも「これは届けたい」と思えた仕事があったなら、それを覚えておけばいい。

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iPhoneアプリ「ポケットAnchor」には、この記事とは別に、アプリ独自の言葉のコレクションがあります。偉人の名言も、背中を押してくれるアファーメーションも、カテゴリーごとに収めました。選んだカテゴリーから毎日ひとつ、ウィジェットに言葉が届きます。探しにいかなくても、言葉のほうから視界に来てくれる。そんな朝も作れます。基本機能は無料です。

名言41【ジェフ・ベゾス】30歳で高給の職を辞めた理由

挑戦して失敗することを後悔するとは思わなかった。しかし、まったく挑戦しないという決断には常につきまとわれると感じていた。

(ジェフ・ベゾス)

出典:プリンストン大学卒業式スピーチ「我らは選択だ」(2010年5月30日)
2010年5月、母校プリンストン大学の卒業式スピーチの一節です。1994年、投資会社で高い地位にあった30歳のベゾスが構想を上司に話すと、上司は2時間の散歩に連れ出し、「良いアイデアだが、良い仕事を持っていない人向きだ」と言いました。48時間考えて、彼は辞める道を選びます。やりたかったことを今日もやらなかった、という重さは長く残ります。明日の昼休み、5分だけ手をつけてみる。

名言42【ジェフ・ベゾス】80歳の自分に判断を預ける

私が見つけた枠組みのおかげで、決断は驚くほど簡単になった。ナードしか付けないような名前だが、「後悔最小化フレームワーク」と呼んでいる。80歳の自分を想像し、人生を振り返ったときに後悔の数を最小にしておきたい、と考えたのだ。

(ジェフ・ベゾス)

出典:Academy of Achievement インタビュー(2001年)
2001年、Academy of Achievementのインタビューで、1994年の創業の決断を振り返った言葉です。80歳の自分がこの選択をどう見るかを想像すると、挑んで失敗しても後悔はしないが、挑まなかったことはずっと残る。そう考えたら答えは簡単に出た、と語っています。転職や異動で迷うとき、損得の表とは別に一問だけ足してみる。80歳の自分は、どちらを悔やむだろう。

名言43【ジェフ・ベゾス】人生の語りは選択の連なりになる

80歳になって、静かな思索の中で自分だけに人生の最も個人的な版を語るとき、最も凝縮されて意味のある語りとなるのは、あなたが下してきた一連の選択だろう。

(ジェフ・ベゾス)

出典:プリンストン大学卒業式スピーチ「我らは選択だ」(2010年5月30日)
2010年のプリンストンでのスピーチで、後悔最小化の考え方の土台を語った一節です。80歳になって自分だけに人生を語り直すとき、残るのは肩書きや成果の一覧ではなく、どの場面で何を選んだかの連なりだろう、とベゾスは卒業生に語りました。うまく選べなかった日も、決めきれずに先送りした日も、その語りの一ページに入ります。上手な選択だったかどうかより、自分で選んだと言えるかどうか。

名言44【ジェフ・ベゾス】祖母を泣かせた10歳の夏の教訓

賢さは贈り物だ。親切さは選択だ。贈り物はたやすい。与えられるものだから。選択は難しいことがある。

(ジェフ・ベゾス)

出典:プリンストン大学卒業式スピーチ「我らは選択だ」(2010年5月30日)
2010年のプリンストンでのスピーチの核になる言葉です。10歳の夏、ドライブ中にベゾスは、たばこを吸う祖母の縮む寿命を計算して「9年」と告げ、祖母を泣かせてしまいました。車を止めた祖父は叱らず、静かに言います。「いつかわかる日が来る。賢くあるより、親切であるほうが難しいんだ」。頭の回転の速さは選べなくても、返信を一言やわらかくすることなら、今日選べます。

名言45【ジェフ・ベゾス】惰性か、情熱か、と問いかけた

惰性があなたの道標になるのか、それとも情熱に従うのか?

(ジェフ・ベゾス)

出典:プリンストン大学卒業式スピーチ「我らは選択だ」(2010年5月30日)
2010年のスピーチの終盤、ベゾスが卒業生に投げかけた一連の問いのひとつです。楽な道を選ぶか、冒険の道を選ぶか、と並べたあとにこの問いが置かれています。答えではなく、選択そのものを手渡すスピーチでした。「情熱がない自分はだめだ」と思わなくて大丈夫です。昼食の店を自分で選ぶ、定型の返信に一言だけ自分の言葉を足す。惰性を一つ破ったところに、情熱の手がかりは落ちています。

名言46【ジェフ・ベゾス】スピーチを結んだ最後の一言

最終的に、私たちは自分の選択そのものだ。素晴らしい物語を自分で作れ。

(ジェフ・ベゾス)

出典:プリンストン大学卒業式スピーチ「我らは選択だ」(2010年5月30日)
2010年のスピーチの締めくくりの言葉です。祖父の教えや創業の決断を語り、問いを重ねたあと、ベゾスはこの二文で話を閉じました。才能は与えられるもので、自分を形づくるのは選択のほうだ、という主張がここに集まっています。選択肢なんてなかった、と感じる時期もあるでしょう。それでも今日、「これは自分で選んだ」と言える行動を一つ。物語の最初の一行は、それくらいの大きさです。

名言47【ジェフ・ベゾス】成功しそうもない、でも楽観的

スタートアップはどれも成功しそうもないが、だからといって楽観的になれないわけではない。

(ジェフ・ベゾス)

出典:ポッドキャスト「Lex Fridman Podcast」#405(2023年12月14日)
2023年12月のポッドキャスト「Lex Fridman Podcast」で、創業期を振り返った言葉です。1994年に事業を始めたとき、ベゾスは出資してくれた両親や友人に「7割の確率でお金を失う」と伝えていました。成功の確率と、どんな気持ちで取り組むかは別の話だ、という考えです。「どうせ失敗する」という声が頭で鳴っていても、消さなくていい。その声を聞いたまま始めることもできます。

名言48【ジェフ・ベゾス】長期思考という巨大なてこ

長期的思考は巨大なレバーだ。短期的に考えると解決不可能な問題でも、長期的に考えれば文字通り解決できる。

(ジェフ・ベゾス)

出典:ポッドキャスト「Lex Fridman Podcast」#405(2023年12月14日)
同じ2023年のポッドキャストで語られた言葉です。Amazonが長く赤字のまま投資を続けたことも、Blue Originで宇宙事業を20年以上進めていることも、ベゾスはこの考え方で説明しました。短期では解けない問題が、時間の幅を広げると解ける形に変わる。今月の数字と明日の締め切りだけを見ていると、出口がない気がします。同じ悩みを5年後の自分の目で眺めると、どう見えるでしょう。

名言49【ジェフ・ベゾス】若手がデータで上司を覆せる文化

最も若い社員がデータを持っていれば、最も上位の社員を覆せる文化を作りたい。

(ジェフ・ベゾス)

出典:ポッドキャスト「Lex Fridman Podcast」#405(2023年12月14日)
2023年のポッドキャストで、組織文化について語った言葉です。年次や役職ではなく、データを持つ人の意見が通る文化を作りたい、とベゾスは述べました。会議の冒頭に6ページの文書を黙読する習慣も、声の大きさより中身で判断するための仕組みです。若いから、と意見を飲み込む場面もあるでしょう。現場で気づいたズレを、日付と数字つきでメモに残しておく。いつか机に置けるデータになります。

名言50【ジェフ・ベゾス】本音を言うには環境が要る

私たち人間は、実は真実を求める動物ではない。社会的な動物なのだ。

(ジェフ・ベゾス)

出典:ポッドキャスト「Lex Fridman Podcast」#405(2023年12月14日)
2023年のポッドキャストで、組織で本音を言う難しさを語った言葉です。人はまず周りに合わせる生き物で、だから真実を口にするには、それを支える文化が要る、とベゾスは続けました。会議で「本当は違うと思う」を飲み込んだ帰り道、自分の弱さを責める人は少なくありません。けれど言えるかどうかは、意志より環境に大きく左右されます。まず一人、本音を話せる相手がいるか。そこから確かめてみる。

名言51【ジェフ・ベゾス】数字と現場の声が食い違うとき

データとエピソードが食い違うとき、エピソードの方が通常正しい。

(ジェフ・ベゾス)

出典:ポッドキャスト「Lex Fridman Podcast」#405(2023年12月14日)
2023年のポッドキャストで、顧客を理解する方法について語った言葉です。指標の上では問題がないのに顧客から苦情が届く。そんなとき、たいてい間違っているのは測り方のほうだ、とベゾスは言います。逸話を鵜呑みにするのではなく、数字の取り方を疑う合図にするのです。「データ上は問題ない」と言われても引っかかる感覚は、打ち消さずに、どこで測り損ねているのかを探す手がかりにできます。

名言52【ジェフ・ベゾス】粘り強さと工夫で問題は解ける

十分な粘り強さと工夫があれば、問題は解決できる。

(ジェフ・ベゾス)

出典:ポッドキャスト「Lex Fridman Podcast」#405(2023年12月14日)
2023年のポッドキャストで、少年時代に夏を過ごした祖父の牧場を振り返る話のなかで出た言葉です。祖父は、壊れた大型のD6ブルドーザーも自分で直してしまう人でした。ベゾスはその姿から、たいていの問題は粘って工夫すれば解ける、と学んだといいます。職場の厄介な不具合を前に「もう無理」と言いたくなる日もあります。今日はどこまで分解できたか。まずはそれを数えれば十分です。

名言53【ジェフ・ベゾス】寄り道する許可を自分に出す

本物の発明には放浪が必要だ。そして自分自身に放浪する許可を与えなければならない。

(ジェフ・ベゾス)

出典:ポッドキャスト「Lex Fridman Podcast」#405(2023年12月14日)
2023年のポッドキャストで、発明家としての自分を語る流れで出てきた言葉です。発明はまっすぐな道ではなく、あちこち寄り道した先で見つかる。そのためには寄り道していいと自分に許可を出す必要がある、とベゾスは述べました。関係のない記事を読みふけって一時間。そんな脱線を責める前に、何に惹かれたのかだけ確かめてみる。つながるのは、たいてい後になってからです。

名言54【ジェフ・ベゾス】本は短い集中力への解毒剤

本は短い注意持続時間に対する解毒剤だ。

(ジェフ・ベゾス)

出典:ポッドキャスト「Lex Fridman Podcast」#405(2023年12月14日)
2023年のポッドキャストで、読書について語った言葉です。通知に注意を細切れにされる時代に、一冊の本と長く向き合う時間そのものが、集中力を取り戻す薬になる、という考えです。気づけばスマホを1時間眺めていた夜、意志の弱さを責めがちです。けれど通知の多い環境で集中が切れるのは自然なこと。寝る前の10分、スマホを別の部屋に置いて本を開いてみる。

名言55【ジェフ・ベゾス】道具を作り、道具に変えられる

私たちは道具を発明し、そして道具が私たちを変える。

(ジェフ・ベゾス)

出典:ポッドキャスト「Lex Fridman Podcast」#405(2023年12月14日)
2023年のポッドキャストで語られた言葉です。人が新しい道具を発明すると、今度はその道具が人の考え方や暮らし方を変えていく、とベゾスは述べました。キンドルが読み方を、アレクサが話し方を変えたように。手帳もメモアプリも、買っただけでは何も起きない。けれど使い続けるうちに、考える順番や時間の使い方が変わっていきます。次に選ぶ道具は、なりたい自分の下書きです。

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「道具が私たちを変える」とベゾスは言いました。長い記事です。ひと息つくついでに、私たちのiPhoneアプリ「ポケットAnchor」も紹介させてください。この記事とは別の、アプリ独自のコレクションから毎日ひとつ、ウィジェットに言葉が届きます。気合いを入れさせる道具ではなく、そっと隣にいてくれる道具として作りました。基本機能は無料です。

名言56【ジェフ・ベゾス】太陽系に1兆人が住む未来

太陽系に1兆人の人間が住む姿を見たい。

(ジェフ・ベゾス)

出典:ポッドキャスト「Lex Fridman Podcast」#405(2023年12月14日)
2023年のポッドキャストで語った、ベゾスの宇宙ビジョンです。地球の資源には限りがあり、人類が成長を続けるなら、いつか宇宙に生活圏を広げる必要がある。そうなれば太陽系には1兆人が住める、と彼は言います。桁が大きすぎて笑ってしまう話です。ただ、誰かに笑われそうな夢を一つ持っていることは、恥ずかしいことではありません。

名言57【ジェフ・ベゾス】1000人のモーツァルトが生まれる話

もし1兆人の人類がいれば、1000人のアインシュタインと1000人のモーツァルトがいることになる。

(ジェフ・ベゾス)

出典:Blue Origin 月着陸船「Blue Moon」発表スピーチ(2019年5月9日)
2019年5月、月着陸船「Blue Moon」の発表スピーチで、人類が宇宙へ広がる意味を説明した言葉です。ベゾスは人の数が増えることを負担ではなく、才能が生まれる機会が増えることとして語りました。「自分には特別な才能がない」と思う日もあるでしょう。この計算が示しているのは、才能は一人で掘り当てるより、多くの人と場のなかで見つかるものだ、ということかもしれません。

名言58【ジェフ・ベゾス】小さく考えると小さく終わる

小さく考えることは自己成就的な予言だ。

(ジェフ・ベゾス)

出典:New York Times DealBook Summit(2024年12月4日)
2024年12月、ニューヨーク・タイムズ主催の「DealBook Summit」での言葉です。目標を控えめに置くと、それに見合う行動しか出てこず、結果もその範囲に収まる、とベゾスは述べました。「どうせ無理」と思ってしまうのは、失敗が怖いからで、自然なことです。一度だけ、「もし本当にできるとしたら何をしたいか」と自分に聞いてみる。答えは、まだ誰にも見せなくていい。

名言59【ジェフ・ベゾス】「宇宙への道」を作るという役割

宇宙への道を作れば、その後には驚くべきことが起こる。

(ジェフ・ベゾス)

出典:Blue Origin 月着陸船「Blue Moon」発表スピーチ(2019年5月9日)
2019年5月のBlue Moon発表スピーチの言葉です。自分の世代で宇宙に住むのは無理だと認めたうえで、次の世代が挑めるよう、道路や港にあたる基盤を作るのが自分の役割だとベゾスは語りました。完成を見られない仕事に手をつける宣言です。引き継ぎ資料や手順書づくりのように、成果が後の誰かのものになる仕事があります。その道を使う人の顔を、一人だけ思い浮かべてみる。

名言60【ジェフ・ベゾス】自ら宇宙へ行った日の記者会見

大きなものは小さなものから始まる。子どもたちとその子どもたちが未来を作れるよう、私たちは宇宙への道を作る。

(ジェフ・ベゾス)

出典:Blue Origin NS-16ミッション飛行後の記者会見(2021年7月20日)
2021年7月20日、Blue Originの宇宙船ニューシェパードに自ら乗って宇宙空間に達し、地上に戻ったあとの記者会見での言葉です。同乗したのは弟のマーク、82歳の元パイロット、18歳の学生でした。ガレージでAmazonを始めた人が、自社の宇宙船で空へ上がった日です。小さな努力に意味があるのか迷う日に、この一文は励ましというより、ものごとが実際にたどる順序として読めます。

名言61【ジェフ・ベゾス】人はリスクを大きく見すぎる

リスクを過大評価し、機会を過小評価するのは人間の本性だ。起業家はこの人間の本性に対して意識的にバイアスをかけるべきだ。

(ジェフ・ベゾス)

出典:New York Times DealBook Summit(2024年12月4日)
2024年12月のDealBook Summitで、起業について語った言葉です。人間は危険を大きく、機会を小さく見積もるようにできている。だから始める人は意識して反対側へ重心を寄せよ、とベゾスは述べました。「失敗したらどうしよう」で頭がいっぱいになるのは、ごく普通の反応です。怖さが消えるのを待たなくていい。見積もりが大きめに出ているだけだと、知っておくことはできます。

名言62【ジェフ・ベゾス】一度やめた場所へ戻る覚悟

今こそ月に戻るときだ。今度は定住するために。

(ジェフ・ベゾス)

出典:Blue Origin 月着陸船「Blue Moon」発表スピーチ(2019年5月9日)
2019年5月のBlue Moon発表スピーチでの宣言です。人類がアポロ計画で月に降りたのは1969年から1972年のこと。それから半世紀近く、人は月へ戻りませんでした。ベゾスは「戻る」に「今度は住むために」と付け加え、前回と違う目的を示します。一度やめた勉強や趣味に戻るのは、少し気恥ずかしいものです。前と違う目的を一つ添えられたら、それはもう同じ挑戦ではありません。

名言63【ジェフ・ベゾス】信頼は難しいことの反復で積む

信頼を得る方法、評判を築く方法は、難しいことを繰り返しうまくやり続けることだ。

(ジェフ・ベゾス)

出典:書籍『Invent and Wander: The Collected Writings of Jeff Bezos』(2020年)
ベゾスの手紙やスピーチを集め、2020年に刊行された著作集『Invent and Wander』に収められた言葉です。2004年に語った「ブランドは人にとっての評判のようなもの」を、より実践的な形にしています。近道はなく、難しいことを何度も、何度も、何度もきちんとやる。三度の繰り返しに、この人の実感がにじみます。誰も見ていないと思う日の丁寧な仕事も、その回数に入っています。

名言64【ジェフ・ベゾス】Amazonより大事な仕事だと語った

Blue Originは私がしている最も重要な仕事だ。

(ジェフ・ベゾス)

出典:Axel Springer CEO マティアス・デプフナーとの対談(Business Insider、2018年4月)
2018年4月、独メディア大手Axel SpringerのCEOマティアス・デプフナーとの対談での言葉です。世界最大級の企業を率いる人が、売上のほとんどない宇宙事業を「最も重要な仕事」と呼んだのです。前年には、毎年Amazon株を売って10億ドル規模をBlue Originに投じていると明かしています。本業とは別に大事にしている何かを、誰かにうまく説明できなくてもかまいません。

名言65【ジェフ・ベゾス】上級役員が給料をもらう理由

シニアエグゼクティブとして、本当に何の報酬をもらっているのか? それは少数の質の高い決断を下すためだ。

(ジェフ・ベゾス)

出典:Economic Club of Washington での対談(2018年9月)/『Invent and Wander』収録
2018年9月、Economic Club of Washingtonでの対談で語られ、『Invent and Wander』にも収められた言葉です。上級幹部の仕事は、少数の質の高い決断を下すことだ、とベゾスは話しました。会社を率いる立場の話で、私たちの一日とは事情が違います。それでも帰り道に、今日の自分にとって質の高い決断は何だったか、一つ思い出すことはできます。

名言66【ジェフ・ベゾス】「プランBはない」と言い切った

プランBはない。この惑星を救わなければならない。

(ジェフ・ベゾス)

出典:Blue Origin 月着陸船「Blue Moon」発表スピーチ(2019年5月9日)
2019年5月のBlue Moon発表スピーチで、地球への姿勢を示した言葉です。ベゾスは宇宙進出を「地球を捨てて逃げる計画」と見られることを否定してきました。太陽系で人が住める場所は地球だけで、宇宙へ行くのは重工業を外へ移して地球を守るためだ、と語っています。逃げ道を用意しておくのは大切な知恵です。そのうえで、これだけは手放さないと決めているものが、あなたにもありますか。

名言67【ジェフ・ベゾス】宇宙へ行く理由は地球を救うこと

宇宙へ行かなければならない理由は、私の考えでは、地球を救うためだ。

(ジェフ・ベゾス)

出典:New York Times DealBook Summit(2024年12月4日)
2024年12月のDealBook Summitで語られた言葉です。地球は太陽系で唯一住める惑星で、そこを守るために汚染を伴う産業をいつか宇宙へ移す必要がある、とベゾスは説明しました。5年前の「プランBはない」と同じ主張です。自分ひとり動いても大きな問題は動かない、と思う日もあるでしょう。行動の理由が遠くにあるほど、今日の一歩の迷いは減ることがあります。

名言68【ジェフ・ベゾス】理解されることをあきらめた理由

私はずっと前に、よく理解されることを諦めた。

(ジェフ・ベゾス)

出典:New York Times DealBook Summit(2024年12月4日)
2024年12月のDealBook Summitで、世間が見るベゾス像と実際の本人との違いを問われて答えた言葉です。あらゆる角度から語られてきた人の実感でしょう。誤解を解いて回るより、自分のやることに力を使う、という選び方です。職場で「あの人はこういう人」と決めつけられていると感じる日。全員にわかってもらうのは、もともと誰にもできない仕事なのかもしれません。

名言69【ジェフ・ベゾス】自分を発明家だと定義する

私は自分を発明家だと思っている。それが私だ。好奇心に従い、探求する。

(ジェフ・ベゾス)

出典:New York Times DealBook Summit(2024年12月4日)
2024年12月のDealBook Summitで、自分をどう定義するかを問われた答えです。富豪、経営者、宇宙企業の創業者。肩書きはいくらでもある人が、自分の芯を「発明家」に置きました。手紙で繰り返した「発明」「放浪」とも一本につながる自己定義です。肩書きで自分を語れない時期にも、好奇心に従うことならできます。気になったことを一つ調べ、新しいやり方を一つ試す。発明家の一日も、そこから始まります。

名言70【ジェフ・ベゾス】信頼は得がたく、失いやすい

顧客の信頼は得るのが難しく、失うのは簡単だ。

(ジェフ・ベゾス)

出典:米下院司法委員会への書面証言(2020年7月)
2020年7月、米下院司法委員会の公聴会に向けて提出した書面証言の一節です。Amazonの競争のあり方が問われた場で、ベゾスは創業からの歩みとともに、顧客の信頼の重さを語りました。何年もかけて積んだ信頼が、一度の失敗で揺らぐ。その非対称を早くから意識していたのです。約束に遅れて「信頼を壊したかも」と落ち込む日は、次の約束を一つ、確実に守るところから育て直せます。

名言71【ジェフ・ベゾス】傭兵ではなく宣教師を求めて

傭兵型の人材を社内に置きたくない。宣教師型が欲しい。

(ジェフ・ベゾス)

出典:書籍『Invent and Wander: The Collected Writings of Jeff Bezos』(2020年)
著作集『Invent and Wander』(2020年)に収められた、採用と組織についての言葉です。2012年の対談で語った宣教師と傭兵の対比を、社内に置く人の話へ移しています。報酬だけで動く人は条件が変われば去り、届けたいものがある人は苦しい時期も残る。「なんでこの仕事をしているんだろう」と思う瞬間は誰にでもあります。答えの出ない日も、そう問い続けていること自体が一つの答えです。

名言72【ジェフ・ベゾス】挫折のあとにもう一度立つ

挫折したら、立ち上がってもう一度やってみる。発明によって、もっと良い場所へたどり着ける。

(ジェフ・ベゾス)

出典:米下院司法委員会への書面証言(2020年7月)
2020年7月の米下院司法委員会への書面証言で、少年時代に夏を過ごした祖父の牧場で学んだこととして書かれた言葉です。牧場では、祖父が壊れたものを何でも自分で直そうとする姿を見て育ちました。うまくいかなければ、やり方を変えてもう一度試す。つまずいた日は、落ち込んでいい。立ち上がるとき、前と同じやり方でなくてもかまいません。72本のうち、今日はこの一つだけ持ち帰っても十分です。

まとめ

ジェフ・ベゾスの名言を72本、出典とともに見てきました。1997年の最初の手紙から2024年の対談まで、この人が繰り返し語っていたのは、顧客から逆算すること、失敗を発明の片割れとして引き受けること、そして選択の連なりが自分をつくるということでした。
世界一の富豪と呼ばれた人の言葉は、遠く感じることもあります。ただ、彼は「7割の確率でお金を失う」と出資者に伝えて会社を始め、株価が9割下がった年に「顧客との絆が最も貴重な資産だ」と書き、自社スマートフォンの失敗から1年余りのちに「失敗と発明は双子だ」と書いた人でもあります。迷いと失敗の途中で語られた言葉だからこそ、規模の違う私たちの毎日にも届くのだと思います。全部を実践しなくて構いません。今日の気分に合う一本だけ、明日の朝にもう一度思い出してみてください。

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7:12
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— ジョージ・エリオット
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