映画「モブ子の恋」の名言44件。「脇役だって、恋をする」の公式コピーから、原作漫画の信子と入江のセリフ、風間太樹監督と桜田ひより・木戸大聖らキャストがインタビューで語った言葉まで、出典つきで紹介します。
映画「モブ子の恋」の名言を44件、まとめてご紹介します。ここに集めたのは、公式のキャッチコピーとあらすじの言葉(4件)、映画の原作となった田村茜の漫画に登場する名セリフ(11件)、そして風間太樹監督(10件)とキャストのみなさん(18件)、主題歌を歌ったにしな(1件)がインタビューやコメントで語った言葉です。タイトルの「名セリフ」は、この原作漫画のセリフを指しています。本編のセリフを書き起こしたものではなく、作品を取り囲む言葉たちから、「モブ子の恋」が何を大切にしている物語なのかを浮かび上がらせる構成にしました。
主人公の田中信子は、自分を「モブ(脇役)」だと思って生きてきた大学生です。目立たない場所で、それでも手を抜かずにやってきた人にとって、この作品の言葉は、あなたのその足踏みも、ちゃんと生きている証拠だと言ってくれる側にいます。誰かに見つけてもらう前に、まず自分が自分を見つけてあげる。そんな順番を、信子と入江の関係が教えてくれます。
原作のセリフを紹介するパートにはネタバレ注意を置いています。まだ映画や原作に触れていない方は、公式コピーと監督・キャストの言葉から読み始めるのもおすすめです。
\ 脇役の日々に、ひとつの言葉を /
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映画「モブ子の恋」とはどんな作品か
2026年6月5日公開。監督は、ドラマ「silent」「海のはじまり」、映画「チア男子!!」「バジーノイズ」などを手がけてきた風間太樹(1991年山形県生まれ)。脚本は倉光泰子。桜田ひより(田中信子役)と木戸大聖(入江博基役)のW主演で、早瀬憩(安部陽菜役)・唐田えりか(篠崎幸役)・草川拓弥(金子優也役)・荒木飛羽(大野陽役)らが共演します。原作は田村茜の漫画「モブ子の恋」(コアミックス)。月刊コミックゼノンで連載が始まり、2018年からWebコミック「コミックタタン」に移籍して連載中。既刊26巻・累計150万部を超える人気作です。主題歌はにしなの「クローバー」。人見知りで控えめな大学生・田中信子が、バイト先のスーパーで働く入江博基との出会いをきっかけに、「人とちゃんと関わりたい」と変わり始めていく物語です。
【公式コピー・あらすじ】作品が掲げた言葉4選
名言1【公式キャッチコピー】作品の核心を一行に
脇役だって、恋をする
(公式キャッチコピー/モブ子の恋)
出典元:映画「モブ子の恋」公式キャッチコピー
映画の公式キャッチコピーです。自分を「モブ」だと思って生きてきた田中信子の物語を、ひと息で言い切っています。主役の恋も脇役の恋も、胸が動く速さは同じ。それなのに「自分は目立つ側じゃないから」と、気持ちの方を先にしまってしまうことがあります。このコピーはその順番をひっくり返します。飲み会の端で、会議の隅で、それでも誰かをいいなと思う。その感情に、まず自分が許可を出してみる。
名言2【宣伝コピー】ひとりに向けた願い
あなたにだけは、見つかりたい
(宣伝コピー/モブ子の恋)
出典元:映画「モブ子の恋」プレスリリース(PR TIMES)
映画の宣伝に使われたコピーです。人前に出ることを避けてきた信子が、入江にだけは見つかってほしいと願う。「みんな」ではなく「あなた」に向けた一文です。全員に好かれようとして疲れてしまう日があります。SNSの数字を気にして、本当に届けたい相手を見失うこともある。でも「この人にだけは」と思える相手がいるなら、それだけで十分に前を向いています。その人への一言が、最初の入口になります。
名言3【公式テーマ文】この物語が肯定するもの
スポットライトの当たらない日々を懸命に生きるすべての人への肯定であり、自分自身を認め、愛を手にするまでのささやかで大きな奇跡の記録
(公式テーマ文/モブ子の恋)
出典元:映画「モブ子の恋」プレスリリース(PR TIMES)
プレスリリースのなかで、作品のテーマを公式が言葉にした一文です。恋の映画である前に、認められないまま懸命に生きてきた人への肯定だと言い切っています。まず自分自身を認め、その先に愛がある。誰にも気づかれない残業、名前の出ない裏方の仕事。それが積み重なると、自分でも自分を見なくなってしまいます。この一文はそんな日々を「奇跡の記録」と呼び直します。今日のがんばりは、まず自分が知っていればいい。
名言4【公式あらすじ】信子が向かう先
人とちゃんと関わりたい
(公式サイトあらすじ/モブ子の恋)
出典元:映画「モブ子の恋」公式サイト(あらすじ)
公式サイトのあらすじで、信子の願いとして「」つきで示されている一文です。この映画で信子が向かう方向を、これ以上ないほど短く表しています。入江との出会いをきっかけに、信子は「関わらない」ことで自分を守る生き方から、一歩だけ外へ出ようとします。うまくではなく、ちゃんと。言葉が詰まっても、目をそらしそうになっても、向き合おうとしていればそれはもう「ちゃんと」に入っています。
⚠ ネタバレにご注意ください
ここから先には原作漫画「モブ子の恋」のセリフが含まれており、ふたりの関係の展開に触れる内容があります。先入観なしに映画や原作を楽しみたい方は、鑑賞・読了後にお読みいただくことをおすすめします。
【原作漫画の名セリフ】信子と入江たちの言葉11選
映画の原作となった田村茜の漫画「モブ子の恋」から、信子と入江、そしてふたりを囲む人たちの言葉を紹介します。映画本編で同じセリフが使われているかは確認できていません。
名言5【田中信子】港での告白
全部終わってもいいから伝えたいと思ったんです。入江君のことが好きです
(田中信子/原作漫画「モブ子の恋」)
出典元:原作漫画「モブ子の恋」(港での告白)
二度目のデートの帰り道。海の見えるお寺の町を歩いたあと、港で信子が先に告白する場面です。「全部終わってもいいから」という前置きに、覚悟がにじみます。心地よい関係が壊れるかもしれない。それでも、伝えないまま続ける方がつらいと決めたのです。伝えたら失うものがあるとき、人はつい黙る方を選びます。信子もそうやって生きてきた人でした。だからこの告白は、「モブ」から降りる宣言でもあります。
名言6【入江博基】告白への返事
俺も好きです
(入江博基/原作漫画「モブ子の恋」)
出典元:原作漫画「モブ子の恋」(港での告白への返事)
港での信子の告白に、入江が返した言葉です。口下手な入江は、長い説明も気の利いた言い回しも足しません。「俺も」のひと言で、信子が差し出した気持ちを丸ごと受け取ります。飾らないからこそ、これ以上なく確かな返事になっています。うまく言おうと言葉を探しているうちに、返すタイミングを逃してしまうことがあります。でも受け取る側が欲しいのは、たいてい返ってくること自体です。短くていい。まっすぐ返す。
名言7【入江博基】言葉より先に
言葉が追いつく前に 心が決めていた
(入江博基/原作漫画「モブ子の恋」)
出典元:原作漫画「モブ子の恋」(第4巻)
第4巻、告白の場面の前後で入江が見せる言葉です。口下手な入江は、気持ちを言葉にするのに時間がかかります。けれど心の方は、言葉を待たずに先へ進んでいました。そのずれを、入江らしい静かな言い方で認めています。「なぜか気になる」という感覚を、根拠がないからと打ち消してしまうことがあります。でも言葉が追いつかないのは、心が動くのが速すぎたからかもしれません。説明はあとからでいい。
名言8【田中信子】特別になりたいと気づく
そうか 私は好きな人の特別になりたいんだ
(田中信子/原作漫画「モブ子の恋」)
出典元:原作漫画「モブ子の恋」
信子が自分の気持ちの正体に気づく場面のモノローグです。誰かの物語の背景にいることに慣れていた信子が、初めて「特別になりたい」という願いを自分に認めます。「そうか」の一語に、驚きと納得が同時に入っています。ずっとあった気持ちに、ようやく名前がついた瞬間です。誰かにとって意味のある存在でいたいという願いは、わがままではなく、まっとうな欲求です。認めた瞬間、迷いはひとつ減ります。
名言9【入江博基】始まりをさかのぼる
これが恋だとしたら いつから どれだけ前から 俺は 君に 恋をしていたんだろうか
(入江博基/原作漫画「モブ子の恋」)
出典元:原作漫画「モブ子の恋」
入江が自分の感情を「恋」かもしれないと受け止め、その始まりをさかのぼろうとするモノローグです。言葉が途切れ途切れに並ぶ間の取り方に、戸惑いながらも逃げない誠実さが出ています。「いつから」と問えるということは、もうずいぶん前から続いていたということです。気づいたときにはとっくに大切になっていたものがあります。始まりを特定できなくても、さかのぼりたくなる何かが今あること自体が答えです。
名言10【田中信子】学園祭の夜
今、ふたりきりですよ
(田中信子/原作漫画「モブ子の恋」)
出典元:原作漫画「モブ子の恋」(学園祭の夜)
学園祭の夜。ドライブに誘うつもりだったと打ち明ける入江に、信子が真っ赤な顔で返した一言です。直後、ふたりは初めてのキスを交わします。ひっそり生きてきた信子が、自分から距離を詰めた場面です。誘えなかった入江と、待つのをやめた信子。どちらも不器用なまま、今ここにある時間を選びました。「ふたりきり」は、意識しなければあっという間に流れていきます。目の前の人を見る。それだけで夜は特別になります。
名言11【田中信子】恥ずかしいくらいのありがとう
友達の距離じゃできなかった恥ずかしいくらいのありがとうを伝えたい
(田中信子/原作漫画「モブ子の恋」)
出典元:原作漫画「モブ子の恋」
物語が進んだ先で、信子が語る言葉です。友達という間合いでは、照れて言えなかった「ありがとう」がある。友達の距離を越えたからこそ、それを言える。関係が変わったからこそ届く言葉があることを、信子は知っています。感謝は、近い人ほど言いにくいものです。でも「恥ずかしいくらい」の温度でないと伝わらない感謝も、たしかにあります。言えなかったぶんを、少し大げさに。
名言12【田中信子】特別じゃない場所で
何も特別な場所じゃないけれど、この日を大切にしたい
(田中信子/原作漫画「モブ子の恋」)
出典元:原作漫画「モブ子の恋」
物語が進んだ先で、信子が口にする言葉です。景色のいい観光地でも、記念日のレストランでもない。それでも「この日を大切にしたい」と思える。日常のなかの小さな幸せへのまなざしが、そのまま信子の言葉になっています。思い出に残る日は、場所やイベントで決まると思いがちです。でも覚えているのは、何でもない日の何でもない会話だったりします。大切にしたいと思った時点で、その日はもう特別です。
名言13【入江博基】実家に泊まる夜の本音
せっかくこんなそばにいられるのに いちゃいちゃとかできないんだよなって…
(入江博基/原作漫画「モブ子の恋」)
出典元:原作漫画「モブ子の恋」(信子の実家に泊まる夜)
信子の実家にふたりで泊まる夜、入江がぽろりとこぼした本音です。「いちゃいちゃとか」なんて言葉を選んでしまうところに、この場面のおかしさと可愛げがあります。実家では恋人らしく振る舞えない。すぐそばにいるのに、思うようには近づけない。好きな人と過ごす時間ほど、そんなもどかしさが出てくるものです。近いのに遠い。その不器用なもどかしさを、入江は取りつくろわずに言葉にしています。
名言14【金子優也】恋の定義
誰かの事を考えて ニヤニヤしちゃったら・・・それが恋だよ
(金子優也/原作漫画「モブ子の恋」)
出典元:原作漫画「モブ子の恋」
入江のバイト先の先輩・金子優也が、恋愛に疎い入江に「恋とは何か」を話す場面の言葉です。金子は、見た目はチャラそうなのに面倒見のいい人物。難しく考えがちな入江に、理屈ではなく体感で恋を説明します。ある人の顔が浮かんで、気づいたら口元がほころんでいた。その瞬間が、すでに恋だというのです。からかいと本気が半分ずつの言い方ですが、恋の説明としてこれ以上わかりやすいものはありません。
名言15【安部陽菜】後輩からの背中押し
本当に恋をしているのなら『このまま』なんて甘い未来は無いと思いますよ
(安部陽菜/原作漫画「モブ子の恋」)
出典元:原作漫画「モブ子の恋」
同じバイト先に入ってきた後輩・安部陽菜が、信子の恋の相談に乗る場面の言葉です。安部は天真爛漫で行動力のある後輩。現状維持にとどまろうとする信子に、やさしく、でもはっきりと伝えます。「このまま」でいることは悪いことじゃない。ただ、本当に大切にしたいものがあるなら、いつか一歩を選ぶ日が来る。年下からの言葉は、上からではなく横から届きます。だからこそ、素直に受け取れることがあります。
\ 心に残った一言は、ありましたか /
信子と入江の言葉に心が動いた時間を、読み終えたあとにも少しだけ続けられたらと思って、iPhoneアプリ「
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【監督コメント】風間太樹の言葉10選
名言16【風間太樹・監督】自分らしく生きるための一歩
恋愛だからこういう関係になれたというよりも、ふたりが自分らしく生きるために歩を進めた
(風間太樹・監督/モブ子の恋)
出典元:ぴあ関西版WEB 風間太樹監督インタビュー
タイトルに「恋」が入っていることについて聞かれ、監督が答えた言葉です。恋愛だからこの関係になれたのではない。ふたりが自分らしく生きようとして、それぞれ歩を進めた。その一歩を大切なものとして見つめるために、「自己受容の物語」という縦糸を縫ったのだと監督は続けます。劇的な出来事より、小さな一歩に目を向ける。自分で選んで動いたことは、どんなに小さくても一歩です。
名言17【風間太樹・監督】足踏みの再定義
足踏みは、一生懸命に生きようとする誠実さの証
(風間太樹・監督/モブ子の恋)
出典元:SCREEN ONLINE 風間太樹監督インタビュー
信子と入江は、なかなか前に進めません。その「足踏み」を、監督は停滞ではなく誠実さの証だと言い換えました。インタビューの冒頭で紹介された言葉です。止まるのは、一生懸命に考えているからです。周りが先へ行くように見える夜、動けない自分を責めてしまうことがあります。でも真剣だから足が止まるのなら、それは次の一歩の前に必要な間なのです。
名言18【風間太樹・監督】届けたい人へ
自分のことをどうしても認めてあげられない、好きになれない、という人にこそ、信子のがんばりを見つめてほしいと願っています
(風間太樹・監督/モブ子の恋)
出典元:映画ナタリー 風間太樹監督コメント
自分を好きになれない人にこそ、と監督は言います。この映画を誰に届けたいかを語ったコメントの一節です。信子が、自分を認められないまま、それでも懸命に生きている人だからです。自分を好きになってから頑張ろう、という順番だと、いつまでも始まりません。信子はその逆で、認められないまま動きます。認められない朝は、信子のがんばりを思い出してみる。
名言19【風間太樹・監督】完成した映画への言葉
この映画にはたくさんのときめきと、希望の兆しが詰まっている
(風間太樹・監督/モブ子の恋)
出典元:映画ナタリー 風間太樹監督コメント
完成した作品について、監督が寄せたコメントの言葉です。「ときめき」と「希望の兆し」が並んでいるのがこの映画らしいところです。恋のときめきだけでなく、自分を好きになれない人が少しだけ変わっていく、その予感まで詰めたと監督は言います。兆し、という控えめな言葉がいい。まだ叶ってはいない。でも、変わり始めている。毎日が同じに見える日でも、兆しはたいてい小さく始まっています。
名言20【風間太樹・監督】心の中を映像にする
心でうごめく感情を映像として可視化する方向に変換しなければいけない
(風間太樹・監督/モブ子の恋)
出典元:ぴあ関西版WEB 風間太樹監督インタビュー
漫画では信子の心の声が文字で読めますが、映画ではそうはいきません。原作のモノローグをどう映像にするか。その問いへの監督の答えです。心の中でうごめいているものを、目に見える形へ変換する。監督はその難しさを演出上の課題として引き受けました。感情は外に出して初めて、自分にも見えてくるものです。今の気持ちを三行だけ書き出す。
名言21【風間太樹・監督】1ミリの表出
1センチではなく、1ミリの表出でしか伝えられない種類の機微がたくさんあるので
(風間太樹・監督/モブ子の恋)
出典元:ぴあ関西版WEB 風間太樹監督インタビュー
返信が少し遅れる。相づちの温度が、いつもと少し違う。そんな小さな変化で、相手の気持ちに気づくことがあります。監督はこの映画で、俳優の感情表現をあえて抑えました。ふたりとも感情表現が豊かなので、大きく出すと大きな感情として観客に届き、信子と入江「らしくない」が始まってしまうからです。1ミリの機微だからこそ伝わるものを、監督は丁寧にすくおうとしました。
名言22【風間太樹・監督】不器用で、逞しい
信子が切実に人のことをちゃんと見て、思いやり、心を配って、心を尽くして、ひとつひとつの言葉を届けている姿を、不器用とも、逞しいとも思いました
(風間太樹・監督/モブ子の恋)
出典元:ぴあ関西版WEB 風間太樹監督インタビュー
原作のどこに惹かれたかを語るなかで出てきた言葉です。人をちゃんと見て、思いやり、心を配って、言葉をひとつひとつ届ける。その同じ姿を、監督は「不器用とも、逞しいとも」感じました。どちらか一方ではなく、ふたつが並んでいるところがいい。監督はこのあと、自分を律して胸を張り、歩みを進めていく信子を応援したくなったと続けます。不器用さと逞しさは、同じ人の中に一緒にあっていい。
名言23【風間太樹・監督】縦糸と横糸
恋愛を縦糸、就職活動という社会との関わりを横糸にして、信子の成長をどう織り込んでいくか
(風間太樹・監督/モブ子の恋)
出典元:SCREEN ONLINE 風間太樹監督インタビュー
脚本家の倉光泰子と、どう脚本を組み立てたか。その話のなかで出てきた言葉です。恋愛を縦糸に、就職活動という社会との関わりを横糸に置く。ふたつが交差する場所で、信子の成長を織り上げる設計です。恋と就活が同時に進むのは、珍しいことではありません。仕事がうまくいかない日に恋が支えになり、恋が揺れる夜に仕事で少し自信を取り戻す。一本では立てない時期を、ふたつの糸が支えてくれます。
名言24【風間太樹・監督】サークルの外側の足踏み
「人と真摯に向き合いたい」という願いがありながら、どうしても人間関係のサークルの外側で足踏みしてしまうもどかしさ
(風間太樹・監督/モブ子の恋)
出典元:SCREEN ONLINE 風間太樹監督インタビュー
向き合いたいのに、輪の中へ入れない。原作の信子のそんなもどかしさを、監督はこう言葉にしました。自分の中にも同じ躊躇があるから、信子の痛みがよくわかったと続けています。関わりたい気持ちと、踏み出せない体。そのずれをもどかしさと呼びました。輪の外側で足踏みしている時間は、何もしていない時間ではありません。誰よりも輪の中を見て、考えている時間です。
名言25【風間太樹・監督】信子という人
些細なことに心を配り過ぎてしまう信子には、自信がありません。何事にもひたむきで、憧れや、願い、恋心すら抱えているけれど、どうしても自己世界で足踏みしてしまう
(風間太樹・監督/モブ子の恋)
出典元:CINRA 風間太樹監督コメント
監督がコメントで、信子という人物を描いた言葉です。些細なことに心を配り過ぎてしまうから、自信が持てない。けれど、憧れも願いも恋心も、ちゃんと抱えている。監督は信子を、欠けている人ではなく、持っているのに出せない人として見ています。心を配り過ぎるのは、それだけ人を大切にしているからでもあります。ひたむきさや憧れは、自信のなさの中で守られてきた、大切なものです。
【キャストコメント】桜田ひより・木戸大聖たちの言葉18選
名言26【桜田ひより・田中信子役】信子は卑屈ではない
信子は、自分のことを『ごく当たり前にいる脇役的な存在』と捉えている子だと思います。ただ、それを卑屈に感じているわけではなく、些細な楽しみを大切にしながら懸命に生きている
(桜田ひより・田中信子役/モブ子の恋)
出典元:LANDOER 桜田ひより×木戸大聖対談
自分を脇役だと思っている。でも、それを嘆いてはいない。役づくりで大切にしたことを聞かれ、桜田ひよりが強調したのは「卑屈ではない」という点でした。この理解があるから、映画の信子は暗い人にならなかったのだと思います。目立たない側にいると、自分を下に見てしまいそうになります。でも、小さな楽しみを持って懸命に生きている人が、卑屈になる必要はありません。
名言27【桜田ひより・田中信子役】優しさの連鎖
登場人物のみんながもつ優しさが、カタチを変えながら信子、入江くんに届いて、その想いによってふたりの向き合い方や距離感も少しずつ変わっていく
(桜田ひより・田中信子役/モブ子の恋)
出典元:LANDOER 桜田ひより×木戸大聖対談
周りの登場人物たちについて、木戸大聖との対談で語った言葉です。桜田ひよりはこの映画を、ふたりだけの恋愛ではなく、周りの人の優しさがカタチを変えて届き、ふたりの距離を変えていく物語だと捉えています。バイト先の先輩、後輩、友人。それぞれの優しさは、直接ふたりを結びつけるわけではありません。でも、めぐりめぐって届きます。自分がかけた言葉が、思いもしない形で誰かの支えになっていることがあります。
名言28【桜田ひより・田中信子役】考えすぎる魅力
信子の人に対して考えすぎてしまうところは、私からすると魅力的でとても素敵
(桜田ひより・田中信子役/モブ子の恋)
出典元:美的.com 桜田ひより×木戸大聖インタビュー
人に対して考えすぎてしまう。そんな信子の性格を、桜田ひよりは「魅力的でとても素敵」だと言いました。人のことをそこまで考えられるのは、相手を大切にしているからです。返信の文面を何度も書き直したり、あの一言を帰り道で反芻したり。でもその時間は、相手を軽く扱わなかった時間でもあります。考えすぎる人の考えは、たいてい相手のためのものです。
名言29【桜田ひより・田中信子役】無理に変えなくていい
無理にその気持ちを変えなくていいと思っていて。それはいろいろと経験してきたなかで、生き抜いてきた証拠でもあると思うので
(桜田ひより・田中信子役/モブ子の恋)
出典元:美的.com 桜田ひより×木戸大聖インタビュー
自己肯定感を高く保てない時期、どう前へ進めばいいか。そう聞かれて語った言葉です。桜田ひよりは自分も根はネガティブだと明かした上で、その気持ちを無理に変えなくていいと言いました。沈むのは、いろいろな経験をくぐり抜けてきたからだ、と。前向きになれない自分を、さらに責めてしまう夜があります。でも沈んでいる気持ちは、ここまで生き抜いてきた道のりの跡でもあります。変えるより先に、そのまま置いておいていい。
名言30【桜田ひより・田中信子役】弱さを役に投影する
私のなかに眠っている弱さや不安を信子に投影しながら、役を作っていけたら
(桜田ひより・田中信子役/モブ子の恋)
出典元:MOVIE WALKER PRESS 桜田ひより×木戸大聖対談
繊細な感情表現をどう作ったか。そう聞かれた桜田ひよりは、風間監督とこう話していたと明かしました。1か月ちょっとの撮影期間は、毎日信子に向き合いつつ、自分自身とも向き合う時間にもなったそうです。弱さや不安は、隠しておきたいものだと思いがちです。けれど向き合ったときにだけ出てくる言葉があります。自分の中の弱さは、欠点ではなく、誰かの気持ちをわかるための素材にもなります。
名言31【桜田ひより・田中信子役】演じながら願ったこと
どうか幸せになってほしいと思いながら演じていました
(桜田ひより・田中信子役/モブ子の恋)
出典元:美的.com 桜田ひより×木戸大聖インタビュー
演じる側でありながら、桜田ひよりは信子に対して、幸せになってほしいと願い続けていました。役への向き合い方を語った言葉です。その願いが芝居の温度を決めたのだと思います。「うまくやろう」と力むほど言葉は硬くなります。相手の幸せを先に心に置いたとき、選ぶ言葉が自然と変わってくる。言葉を選ぶ前に、その人の幸せをひとつ思い浮かべてみる。
名言32【桜田ひより・田中信子役】マイナスの自分を知る
根はネガティブなのですが、マイナスな感情になったときの自分を知っている
(桜田ひより・田中信子役/モブ子の恋)
出典元:美的.com 桜田ひより×木戸大聖インタビュー
ネガティブであることを否定せず、マイナスな感情になったときの自分を「知っている」と言う。自身の性格を語るなかで出てきた言葉です。この距離の取り方が、桜田ひよりの落ち着きの源なのだと思います。感情をなくすことはできません。でも「こういうときに落ちやすい」と知っていれば、飲み込まれずに済みます。落ちている最中に「いつものパターンだ」と気づけるだけで、出口はずっと近くなります。
名言33【桜田ひより・田中信子役】気配りではなく心配り
「気配り」ではなく、自分から出てくる「心配り」だったら、受け取ってくれる側も何か変化を感じ取ってくれたりとか、そこに温もりがプラスされるんじゃないかと思って
(桜田ひより・田中信子役/モブ子の恋)
出典元:WEBザテレビジョン 桜田ひよりインタビュー
大切にしている言葉は何か。そう聞かれて「心配り」を挙げた桜田ひよりが、その理由を説明した部分です。気配りは、場を読んで整えること。心配りは、自分の中から出てくるもの。桜田ひよりはその違いに、受け取る側が感じ取る温もりの差を見ています。気の利いた言葉より、「この人のことを考えた」という痕跡のほうが人の心を動かします。送る前に一秒だけ、相手の顔を思い浮かべる。
\ 言葉が効くのは、足踏みしている日です /
前に進めずにいるときほど、短い一文が効くことがあります。iPhoneアプリ「
ポケットAnchor」は、作品とは別の、アプリ独自のコレクションから選んだ言葉を、毎日ひとつウィジェットに映します。3,000を超える言葉(収録数 国内No.1※自社調べ)から、その日の一枚が届きます。基本機能は無料です。
名言34【木戸大聖・入江博基役】脇役はいない
生きていく中で決して脇役はいなくて、皆さんが主役であり、周りには支えてくれる人がたくさんいるということを、この作品は伝えてくれているんじゃないかなと思います
(木戸大聖・入江博基役/モブ子の恋)
出典元:MOVIE Collection 公開直前イベント
公開直前イベントで、作品のメッセージについて語った言葉です。「脇役だって恋をする」というコピーの映画で、木戸大聖は一歩進めて「脇役はいない」と言いました。誰もが自分の人生の主役で、その周りには支えてくれる人がいる。入江を演じた人が言うからこそ、説得力があります。「自分は端っこにいる」と感じる日があります。でも端っこから見える景色にも、自分を支えてくれている人の姿はあるはずです。
名言35【木戸大聖・入江博基役】出演を決めた理由
脇役と言われている2人が、時間をゆっくり紡いでいく作品は他にないなと思っていて
(木戸大聖・入江博基役/モブ子の恋)
出典元:モデルプレス 木戸大聖インタビュー
出演が決まったときの心境を聞かれ、木戸大聖はこう答えました。惹かれたのは、派手な事件ではなく、脇役と言われるふたりがゆっくり時間を紡いでいくという作品の速度でした。ゆっくりだからこそ、見ていられるものがある。「なかなか進まない」と焦る日があります。でも、ゆっくり紡いだものは、ほどけにくい。時間をかけていることと、遅れていることは、別のことです。
名言36【木戸大聖・入江博基役】気づいてあげられる人
入江が、ひとりで頑張っている信子に気づいてあげられるところが好き
(木戸大聖・入江博基役/モブ子の恋)
出典元:美的.com 桜田ひより×木戸大聖インタビュー
入江というキャラクターの好きなところとして、木戸大聖が挙げたのは、助ける、励ます、といった行動ではなく「気づく」でした。ひとりで頑張っている人に、ただ気づく。入江の優しさの核は、そこにあると見ています。「大丈夫?」と聞かれるより前に、気づいてもらえること。それだけで、ひとりではないと思えることがあります。気づくことは、いちばん静かで確かな優しさです。
名言37【木戸大聖・入江博基役】入江と自分の共通点
他人に対して『こう言ったらどう思うかな?』と、いろんな想定しながら言葉を選ぶところは、似ているなと思います
(木戸大聖・入江博基役/モブ子の恋)
出典元:cinema-life.net 木戸大聖インタビュー
入江というキャラクターについて、自分との共通点を語った言葉です。相手がどう受け取るかを、いくつも想定してから言葉を選ぶ。木戸大聖は、そこが入江と自分の似ているところだと言います。慎重に言葉を選ぶ人は、口が重いように見えることがあります。でもその沈黙の中では、相手のことを何通りも考えています。丁寧に選ばれた一言は、たくさんの軽い言葉より長く残ります。
名言38【木戸大聖・入江博基役】追いかけるのではなく並走する
視聴者としてストーリーを『追いかける』のではなく、物語の登場人物たちと『並走している』ような感覚
(木戸大聖・入江博基役/モブ子の恋)
出典元:LANDOER 桜田ひより×木戸大聖対談
本編を初めて観たとき、木戸大聖は物語を外から追いかけるのではなく、登場人物と一緒に歩いているような感覚になったそうです。読者へのメッセージのなかで明かした、本人の体験です。ゆっくり進む映画だからこそ、観る側の歩幅とそろったのかもしれません。この「並走」は、自分自身との付き合い方にも当てはまる気がします。目標を追いかけると息が切れます。並走すれば、今日の自分の歩幅で進めます。
名言39【木戸大聖・入江博基役】原作を読んだ感想
このやさしさと温かさに包まれたラブストーリーは、他にはない『モブ子の恋』だけの世界観だと感じました
(木戸大聖・入江博基役/モブ子の恋)
出典元:cinema-life.net 木戸大聖インタビュー
本作への出演について語るなかで、原作を読んだときの印象を明かした言葉です。木戸大聖が受け取ったのは、やさしさと温かさ。それが「他にはない」と言えるほど、この作品の世界を形づくっていると感じたそうです。派手さがないことは、特徴がないことではありません。そういう世界観は、まねしようとしてもなかなかできません。選んできた言葉や大切にしてきた関係は、自分だけの世界観です。
名言40【草川拓弥・金子優也役】信子が自分を信じられる世界
信子の気持ちに深く共感して、信子が自分を信じることができる世界に存在してあげたい
(草川拓弥・金子優也役/モブ子の恋)
出典元:映画「モブ子の恋」キャスト発表コメント(PR TIMES)
金子は、入江をバイト仲間としても男友達としても支える同僚です。草川拓弥はその役について、信子が自分を信じられる世界の一部として存在したい、と語りました。「がんばれ」と言うのではなく、その人が自分を信じられる世界に「いる」。支え方として、とても静かで、とても大きいものです。信じてくれる人がそばにいて、人は自分を信じられるのです。
名言41【唐田えりか・篠崎幸役】完成作を見て
完成した本作を見たあと、なんて優しい世界なのだろうと胸がじんわりと温かくなりました
(唐田えりか・篠崎幸役/モブ子の恋)
出典元:映画「モブ子の恋」キャスト発表コメント(PR TIMES)
唐田えりかが演じる篠崎幸は、バイト先の先輩として、信子に時に厳しく、でも愛のある指導をする大学生です。その本人が、完成作を見て「なんて優しい世界なのだろう」と感じたと、キャスト発表時に語っています。その感想そのものが、この映画の空気を表しています。疲れきった日は、何かを感じることさえ億劫になります。でも温かくなる瞬間は、探せばどこかにあるものです。
名言42【早瀬憩・安部陽菜役】撮影前のドキドキ
二人の恋をどうやって応援しよう!とドキドキしながら撮影に入りました
(早瀬憩・安部陽菜役/モブ子の恋)
出典元:映画「モブ子の恋」キャスト発表コメント(PR TIMES)
「どうやって応援しよう!」という弾んだ言い方に、撮影前の高揚がにじんでいます。早瀬憩が演じる安部陽菜は、信子の背中を、強引ながらも温かく押す後輩。演じる本人も、ふたりの恋をどう応援しようかとドキドキしていたというのが微笑ましい。役と演者の気持ちが、最初から同じ方を向いていました。誰かの挑戦を横で見ていて、自分まで緊張することがあります。それは応援が本気になっている証拠です。
名言43【荒木飛羽・大野陽役】背中を押す姿
気持ちの変化や勇気をもち始める姿は、多くの方の背中をそっと押してくれる
(荒木飛羽・大野陽役/モブ子の恋)
出典元:映画「モブ子の恋」キャスト発表コメント(PR TIMES)
注目したいのは「もち始める」という途中形です。荒木飛羽が演じる大野陽は、自信家な性格で、信子が少し手を焼く新人アルバイト。その役を演じた本人が、信子たちの「勇気をもち始める姿」に、観る人の背中を押す力を見ています。完成していない、揺れているさなかの姿が人を動かすのだと言っています。できあがった姿より、途中の姿のほうが、見る人の心に近いところにあります。
【主題歌】にしなの言葉
名言44【にしな・主題歌】心の味方
幾つになっても誰しもの中に存在しつづける『こども』の自分。きっと彼らはいつまでも私たちの心の味方です
(にしな・主題歌/モブ子の恋)
出典元:映画「モブ子の恋」公式サイト(主題歌コメント)
主題歌「クローバー」を担当したにしなが、公式サイトに寄せたコメントの言葉です。幾つになっても、誰の中にも「こども」の自分が残っている。初めて映画を観たとき、童謡「虹」が流れるシーンが印象に残り、そこから広げて描いた曲だと、にしなは明かしています。「もうそんな年じゃない」と、ドキドキや悔しさに蓋をすることがあります。でも内側の「こどもの自分」は、まだ感じる力が残っているしるしです。
映画「モブ子の恋」の名言まとめ
映画「モブ子の恋」の名言44件を、公式コピーとあらすじ、原作漫画のセリフ、監督とキャストの言葉、主題歌アーティストのコメントに分けて紹介しました。立場も媒体も違う言葉が並んでいるのに、向いている方向はひとつです。目立たない場所で足踏みしている人を、責めるのではなく見つける。信子と入江のゆっくりした歩みも、風間監督の「足踏みは、一生懸命に生きようとする誠実さの証」も、沈む気持ちを「生き抜いてきた証拠」と呼んだ桜田ひよりの言葉も、同じことを別の言葉で言っています。
自分を脇役だと思って生きてきた日々は、消えるわけではありません。でも、その日々を大切なものとして見つめ直すことはできます。心に残った一言があったら、その言葉と一緒に、今日ひとつだけ小さく動いてみてください。信子が港で口を開いたように、大きな決断でなくていい。ちゃんと関わりたい、と思えていること自体が、もう一歩目です。
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